今月は平日忙しいのにこの土日は休みになってしまいました。なかなか思い通りにはいきませんね。
ということで、暇潰しに(?)、いや本当は講演で話す内容のストックのためにアランの幸福論を読んでいます。
アランと言えば、
「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」
という名言でお馴染みです。哲学書にしては読みやすく、翻訳も巷の評判ほど悪くないように思います。
まだ読み始めたばかりですが、祈りという節でこんな興味深いことを述べています。
(以下引用)
「宗教というものはすべて、おどろくほど現実的な知恵を含んでいる。たとえば、ある不幸な人が事実を認めまいとしてむだな骨折りをし、そのむだな努力のためにへとへとになり、不幸を倍加させている時、この反抗的運動に処するのに、彼をひざまずかせ、両手で頭をかかえこませてしまう、その方が理屈で説得するよりもずっと効果がある。なぜなら、この体操によって想像力が暴れまわるのを防ぎ、激怒の症状を一時的に停止させてしまうからである」
(引用終わり)
つまり、祈るという動作から入ることによって心が平穏になるのであり、それを昔から宗教の形で実践してきたと主張しています。
形から入るというところでふと思い出したのは笑いヨガです。笑いヨガは笑いを取り入れた体操ですが、形から入るところに特徴があります。そして、よくこんな説明をします。
「落ち込んでいるときやイライラするときは笑いヨガで笑うという形から入ると、いつの間にかその感情がどこかに行っていることがあります」
ネガティブな感情に対処する際に形式的な動作から入るというのは、実は笑いヨガだけでなく古来の知恵であるのだと再確認しました。これだけでも気づきがあります。
アランの幸福論はまだほんの少ししか読んでいませんが、ユーモアセラピーでお話している内容をより深く考えるためにおおいに役立ちそうです。
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