「ごめんなさい」

　僕は大相撲の一ファンですが、数年前に大相撲をＰＲするために作られた『ひよのやま数え歌』という歌があります。

　その歌は「一つひとりで言えるかな、おはよう、ありがとう、ごめんなさい〜こんにちは、いただきます、大きな声で〜」という出だしになっており、今日はこの一節を取り上げてみたいと思います。

　この五つの礼節、"おはよう"、"ありがとう"、"ごめんなさい"、"こんにちは"、"いただきます"の中で、現代の子供達が一番できていないのは「ごめんなさい」であるように感じられます。

　挨拶をしなさいとか、お礼を言いなさい、という言いつけはわりときちんと守れるものですが、「ごめんなさい」は意外に厄介です。

　「ごめんなさい」と言うことは自分の非を認めることでもあり、これができない子供が非常に多いと思うのです。

　「ごめんなさい」を言えないということは、実は大きな問題を招くことが多々あり、その一言が上手く言えなかったばかりに人生の様々な歯車が狂いだすということは、実際少なくありません。

　少子化が進み、子供達が必要以上に大切にされ過ぎていることなどにその原因があるとも考えられますが、いずれにしても自分が悪いと感じたら素直に謝るという姿勢を、親も見せ、子供達に植え付けていくということは、とても大切なことです。

　五つの礼節に優劣は付けられるものではありませんが、性質上五つの中で一番忘れられがちな「ごめんなさい」を一番大きく意識しても良いかもしれないと、僕は考えているのです。