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2015年12月17日15:54

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トランプ発言、支持者が増えているのが恐ろしい

Newsweek 2015年12月15日(火)19時23分

トランプは、ヨーロッパを不安にさせる「醜いアメリカ人」
The American Stereotype Europeans Love to Hate

以前、この手のやからを野放しにしたツケはヒトラーだった

アダム・リボア

「醜いアメリカ人」が帰ってきた。しかも彼は、まもなく大統領のイスに座る
ことになるかもしれない。2016年の大統領選挙に向け共和党候補の指名争いに
参加している億万長者のドナルド・トランプは先日、「すべてのイスラム教徒
のアメリカ入国を拒否すべきだ」と述べて、世界中で激しい怒りを買っている。

 イギリスでは、トランプの入国禁止を求めて50万以上の人々が嘆願書に署名
した。ヒラリー・クリントン前国務長官とディック・チェイニー元国防長官、
ポール・ライアン下院議長は、右も左も団結してトランプを非難した。『ハ
リー・ポッター』の原作者J・K・ローリングは、トランプはハリーの仇敵ヴォ
ルデモート卿以上の極悪人だとツイートしている。

 トランプのイスラム入国禁止発言は、「単なる右翼的発言ではすまされない。
常軌を逸している」と言うのは、英王立統合軍事研究所(RUSI)の研究員で
『Muslims of Europe: The 'Other' Europeans』の著者であるH・A・ヘリヤー
だ。「この発言は、10億人以上の人々に対する正面攻撃だ。すでに世界中に拡
散しているが、彼にやめるつもりはないだろう」

 しかしアメリカ国内では、この発言にトランプが足を引っ張られることはな
さそうだ。それどころか、発言が攻撃的になればなるほど支持率は伸びている。
NBCニュースとウォール・ストリート・ジャーナル紙が行った世論調査では、共
和党を支持する有権者のうち、トランプのイスラム入国禁止案に42%が「賛成」
と回答。「反対」は39%だった。「トランプは、自分は正しいと考えている。
この発言で自分の人気は高まっているし、共和党内のかなりの人数も同じよう
な考えを持っていると思っている」とヘリヤーは言う。

トランプ発言はフランスでは違法かも

 ヨーロッパ諸国はこの状況を警戒している。「トランプの言動は、ヨーロッ
パ人が非常に嫌う『醜いアメリカ人』の要素をすべて満たしている」と指摘す
るのは、国際情勢が専門のシンクタンク、アトランティック・カウンシルのロ
ビー・グレイマーだ。「彼は浅はかで粗暴。ドイツ人は、この種の金持ちには
強い警戒心を抱く。フランスでは、トランプの発言は違法かもしれない。外交
政策には思慮がなく、一貫性もない。かつて政治家はリスクを嫌い慎重に行動
するものだったが、トランプの場合は公の場で話をでっち上げたら人々がそれ
を信じてしまった」

 トランプの台頭は、テロリズムや移民危機、ロシア、中東などに対する恐怖
を煽る政治が影響力を持つことを表している、とグレイマーは指摘する。「ア
メリカ人は、これがヨーロッパに与える影響を正しく評価していない。われわ
れヨーロッパ同盟国は、米国の世論に注目している。トランプは連日のように
見出しを飾っており、現にわれわれのアメリカに対する認識は、この予備選挙
を通じて変わってきている」

 トランプは、ポピュリズム(大衆主義)的なレトリックを超えてさらに危険
な橋を渡っている、とアナリストたちは言う。「偏見に根ざした憎悪が常態化
し、そういう発言も普通になってしまった」

 こうしたアメリカの風潮にうまく乗ったのがトランプなのだ。

 自分たちさえよければいいという党派心に基づいた発言は、暴力につながる
恐れをはらんでいると、ヘリヤーは警告する。「現実にヘイトクライム(憎悪
犯罪)や脅迫、放火などが増加しており、アメリカ人イスラム教徒の生活に実
際の影響が出てきている。もしヨーロッパの政治家がユダヤ系の人々に対して
同様の発言をすれば総スカンを食らうだけでなく、全ヨーロッパ人の敵とみな
されるだろう」

ISISには理想のアメリカ大統領

 トランプの発言が歓迎される場所が1つある。それはISIS(自称イスラム国、
別名ISI)が首都と自称するシリアのラッカだ。「トランプの最も過激な発言が、
アルカイダやISISが正しいことを証明しているようにみえる」と、戦略国際問
題研究所のアンソニー・コーズマンは言う。「トランプを見たイスラム教徒は、
アメリカはイスラム教徒もイスラム教も敵視していると思うだろう。トランプ
はISISにとって理想のアメリカ大統領だ」

 トランプは怒りと憎悪の政治の象徴で、それはISISの思うつぼだと、反テロ
リズム・シンクタンク、クイリアム基金のハラス・ラフィクは言う。ISISのや
り方は常に、人々を曖昧な立場から引きずり出して、白と黒に二分された世界
に放り込むことだ。トランプのおかげで、今やISISは勧誘でこう言える。「ほ
ら見ろ、自由世界の大統領になるかもしれない男が、イスラム教徒は来るな、
と言っている」

 ヨーロッパの歴史は、少数の過激派を許容することの危険を教えている。
「以前にも見たことがある。トランプなど大統領選の道化役だと笑い飛ばす人
がいる。第一次大戦後のヨーロッパで、人々がヒトラーを道化と片付けたのと
同じだ」と、ラフィクは言う。

 トランプはいずれ消えるかもしれないが、より深い問題は残る。極右であれ
極左であれ、自由な民主主義社会を軽侮し覆そうという人々が力を得てきてい
るということだ。トランプ発言の産物だ。

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The Wall Street Journal 2015 年 12 月 15 日 17:21 JST

【社説】トランプ氏とマフィアの関係、早急な調査を

 2016年米大統領選の共和党有力候補ドナルド・トランプ氏は、ビジネスで成
功した自分は大統領としても成功するだろうと語る。それならば、彼が残した
ビジネスの記録を洗い出した方がいいだろう。特に詳しく調べるのに値する分
野が、マフィアが支配する企業との取引関係だ。

 今のところ、これについての報道はほとんど出ておらず、われわれも新たな
スクープネタを持っていない。ただ、トランプ氏は1980年代、建設事業に活発
に取り組んでいた。この時期に連邦当局が扱った恐喝を巡る訴訟では、マフィ
アの「クラブ」がニューヨーク市の大型建設事業に及ぼした影響に焦点が当て
られていた。1988年のある裁判では、この計画を支配し、トランプ・プラザを
含むマンハッタンの多数の建設事業の契約から利益を着服していたとして複数
が有罪判決を受けたが、その中には犯罪組織ジェノヴェーゼ・ファミリーのボ
スで、「ファット・トニー」の異名を持つアンソニー・サレルノ受刑者も含ま
れていた。

 トランプ氏が最近ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を訪問した際、
われわれはこうした関係について同氏をただした。その答えにじっくり耳を傾
ける価値はある。トランプ氏はマンハッタンには恐らくコンクリート会社が3社
あり、「実質的に、建てられたすべての建物はこれら企業とともに建てられた」
と当時を振り返った。また、同氏は「実際には知らないが、私が読んだところ
では、これらの人々の多く、(あるいは)全員が何らかの関わりを持っていた」
と付け加えた。

 マフィアは盗みをビジネスとしているため、われわれはトランプ氏がマフィ
アに支払う「モブ・タックス」を事業費に組み入れねばならなかったことに怒
りを覚えていたと推測する。ただ、彼は満足した顧客にも見える。

 思いつくままに描写するやり方で、トランプ氏は当時のコンクリート会社に
ついて以下のように語った。

 「WSJはこうした人々について書かなかったが、この人たちは優れた請負業者
だった。彼らは驚異的だった。彼らは1週間に3フロアをコンクリートで固める
ことができたのだ。世界の誰も1週間で3フロアはできない。つまり、彼らは信
じられないほど素晴らしいのだ。トランプ・タワーや他の建物も。彼らは文字
通りこなす。どうやって3つ(のフロア)をこなせるのかと言いたくなるだろう。
彼らはそれ(コンクリートの型枠)を設置して(コンクリートを)流す。そし
てコンクリートが乾く前には鉄骨からフロアの型枠を外してしまうのだ」

 トランプ氏は「彼らは業務をこなすという点で信じられないほど優れた請負
業者だった。ただ、彼らの多くはモブ(マフィア)と関係していたと思われる」
と付け加えた。

 では、トランプ氏は、例えば当時サレルノ受刑者によって主に支配されてい
た会社と一緒に働いていたことを認識しなかったのだろうか。同氏は「いや、
誰もそれを知らなかっただろう」と話した。

 トランプ氏は1980年代の不動産ブームが破裂した後のことを思い返し、多く
の請負業者が「その後はそれほど多く付き合わなくなった。そして、(ニュー
ヨーク・マンハッタン地区検察当局のロバート)モーゲンソー元検事によって
だと思うが、彼らの多くは起訴された。彼は偉大な地区検事で、素晴らしい男
で、素晴らしかったが、大勢の人を起訴してしまった。具体的には知らないが、
大勢の人間が起訴されたのだ。そして、彼らは姿を見せなくなったようだ。実
際、現在は全く異なる世界になった。ただ、ニューヨークでビルを建てる場合、
大部分がコンクリート構造体であるため、基本的にはそこにある2〜3社のうち
1社を使う必要があった」と述べた。

 米ニュージャージー州アトランティックシティーでは、ずる賢い人々がもた
らした取引がもっと多かった。米紙ワシントン・ポストは最近、トランプ・プ
ラザ・ホテルとカジノ施設を開発していたトランプ氏にカジノ免許が交付され
るのが遅れたのは、ケニー・シャピロ氏とのつながりが一因だったと報じた。
シャピロ氏は犯罪組織スカルフォ・ファミリーと関わりがあったとされていた。

 米ニュース専門放送局CNNの7月の報道によると、フィラデルフィアのマフィ
アだったサルバトーレ・テスタ氏からアトランティックシティーの土地一区画
を取得するのに、トランプ氏が過剰な金額を支払った可能性があるという。こ
れについて尋ねたところ、同氏は「テスタ氏が誰だか分からない」と話した。
CNNはこの取引が1982年に交わされたと報じた。それは随分前の話で、テスタ氏
が銃殺されているのが発見された2年前のことだ。

 米ニュージャージー州の南、サウスジャージーの請負業者についてはどうか。
トランプ氏は「アトランティックシティー全域にわたり、マフィアの流れをく
むと目される請負業者がいた」とし、「他の人間も同じことを言うと思うが、
カジノ運営会社は例外なく同じ企業を使っていた」と話した。また、「ニュー
ヨークについて話した時の業者と異なり、(サウスジャージーの業者は)いく
らか質の悪い請負業者だった。ただ、基本的にアトランティックシティーでは
これらすべての業者を、競争入札を通じて使うことになるのだ。彼らの一部は
モブの流れをくむかもしれないが、私は知らない」とも述べた。

 ただ、トランプ氏がマフィアとつながりを持っていたか知らなかったのなら、
なぜ彼は犯罪組織を引きつけないためカジノ賭博に関わらないよう他人に警告
したのか。今のトランプ氏は、潜在的な競合がカジノ事業に参入しないように
仕向けただけだと話す。同氏は「それを悪く言ったのは、他の管轄区域で賭博
をさせたくなかったからだ。これは一種の基本的なビジネス感覚だ」と話した。
つまり、同氏は自分自身の事業にマフィアが関与しているか知らないと主張し
ながら、競合を思いとどまらせるためにマフィアの影響について警告したと説
明したことになる。

 トランプ氏はこれまで罪に問われたことはない。悪から目を背け、他に選択
肢がなかったかのような説明の仕方は、彼をビジネスマンに仕立てている。問
題は、これが大統領になりたがっている人物にとって適切かどうかだ。

 この問題は共和党予備選の有権者にとって特に重要になる。本選挙では民主
党が確実にこの問題を取り上げてくることが予想されるからだ。ミット・ロム
ニー元マサチューセッツ州知事が2012年に敗退したのは、未公開株(PE)投資
会社での華々しい事業経歴を民主党が厳しく非難したからだ。来年10月ではな
く今すぐに、トランプ氏が残したビジネス上の経歴を精査する方がいい。
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