肋骨はほとんどの哺乳類が有し、外部からの衝撃から内部を守るほかに、呼吸に必要となる容積を確保しておくものだ。その役割としては、内骨格というよりも外骨格の機能に近い。
全く動かないというわけではないが、可動域は狭いわけで、人間の体の中でもそれは、固定された部分として存在している。それを円柱と考えれば分かりやすいだろう。
首や肩が動けば、肋骨も動かなければならない。すると、その影響は肩だけで留まるはずもなく、体幹の上半分は影響する。つまり、左肩を下げれば、お腹の右側が上に上がろうとする。右肩を回せば、お腹の左側は逆にいこうとする。
つまり首や肩の動きはそのまま上半身全体の向きに影響を与えるという事。もし意識していないのなら、知らぬ間に上半身が大きく動いているということだ。
逆に、お腹が動けば肩の動きにも影響するという話でもある。一体となって動く範囲が広い、どれくらい広いかと言えば、肋骨がまるごと連動する、という事になる。
ゴルフスイングで頭を動かさない、背骨を動かさず回すというのは、正解ではない。そんなのは不可能である。しかし、それらは『肋骨が大きく動かないようにする』というのとは殆ど同値とは言える。
この肋骨を動かせば体が大きく動くし、動くなら肋骨ごと全体で動くしかないというのは、とても大切な人間の動作のような気がする。
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