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2015年11月30日22:57

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「絹の驚異」



 絹は蚕から出された繭が原料なのは知っていると思いますが、5000年もの間に人間によって作り変えられた唯一の昆虫で、自然界では存在する事は出来ません。
 と言うのも、卵から生まれた幼虫は自分から餌を探す事が出来ません。それに足の力が弱い為、枝にすがらせても直ぐに落ちてしまい餌を探せ無い為死んでしまいます。
 更に、色が白く棘も2度目の脱皮位で抜け落ちてしまう為、格好の鳥や他の生き物の餌となってしまい生存出来る確率は0です。

 サナギから羽化して成虫になっても、羽が極端に退化したため飛ぶ事は出来ず、口も退化してるので交尾し産卵すると死んでしまいます。長くとも1週間の間しか生きる事が出来ません。
 メスは後尾からフェロモンを出し、オスがそれに反応して人工的な繁殖しか出来ない生き物に人間が改良して来ました。大きな繭を作る様に改良されて来た唯一の昆虫で、総てのDNAの配列が解明された生き物です。

 絹糸を取るには抜け殻になった繭では使い物にはなりません。それは、繭を破る時にお尻からタンパク質分解酵素を出し、糸を溶かしてしまうからで、総ての絹糸を吐き出さないとサナギになれないのを利用し、小さな枡状の中に繭玉を作らせ熱処理して糸を取出し、サナギは食用や魚や家畜の餌として利用され、油も取る事も出来ます。

 絹糸は衣類の他にも色々利用されますが、近年遺伝子の組み換えが出来る事から「光るクラゲ」の遺伝子を卵のうちに注入し、「光る絹糸」が作られています。そればかりではなく、色素の遺伝子を入れるとあらゆる色の絹糸を作れる事が出来るようになりました。それにより、養蚕産業に大きな革命をもたらす時が直ぐ側まで来ています。

 近年廃れて来た養蚕業界に更なる期待が出て来たのです。更に遺伝子組み換えを利用し、クモの糸の中でも一番強度のある「オニグモ」の遺伝子で、最強の絹糸の開発が研究されていて、それが実現すると大変な革命に成ると言われています。

 着物に使う糸には太さの番号があり、通常は21番中糸(なかいと)を使いますが、更に風合いを良くする為14番中糸と言う細い糸を使ったり、天蚕糸(てんさんし)・・・蛾の一種・・を織り込んだり様々な加工がなされて来ましたが、絹糸自体を全く新しい物に作り替える技術は今までは出来ませんでしたが、生きた蚕を使って様々な絹糸を作らせる事が近年可能になりました。
 以前から牛乳から絹糸を作り、長襦袢などに加工はしていましたが、蚕その物が全く新しい絹糸の生産工場に成る時代がこれから始まります。

 低迷して来た養蚕業者、農家にとって、朗報となる事でしょう・・・。(^_^)
たまには真面目な事も書かせて頂きました。アハ、
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