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2015年11月26日23:59

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雷鳥保護の講習会

11/15ですが・・・

大町市の山岳博物館にて雷鳥保護の講習会がありましたので出席してきました。講師は信州大学名誉教授の中村浩志氏です。
今まで中村教授からは何回か雷鳥の研究内容を聴きましたが最新情報も織り込まれておりました。今回出席した事により私は雷鳥サポーターとして登録され、雷鳥の保全事業に参加していく事になります。

雷鳥の総数は1980年代3000羽、2000年代初頭は1700羽まで減。

山域別では
北アルプスでは1960羽→1104羽、南アルプスでは720羽→306羽、御嶽では125羽→70羽。火打山25羽→28羽、乗鞍120羽→145羽と逆に増えています。

縄張り数の調査結果
南アルプスで1981年−63 2004年−18 2014年−8と激減。

温暖化による影響
火打山付近でハイマツ帯にイネ科の植物が侵入している。
この為雷鳥の巣作りがしにくくなっている。
妙高市では毎年夏にこうした元々無かった植物を除去する取り組みを始めている。

南アルプスは鹿や猪の食害で高山植物が減少し土砂の流出が始まっている。これは過去に中村教授が警鐘を鳴らしたにもかかわらずその時の環境庁は鹿や猪の高山への移動は自然現象だと片付けられてしまい、対策をしなかったツケが後から来たと言われていた。

全ての個体に足環を付けて色分けをし個体識別出来るようにしているとの事。これにより行動範囲がかなり解明された。

日本雷鳥の換羽は年に3回。これは知りませんでした。
冬羽→繁殖期の羽→秋羽。

ミトコンドリアDNA解析の結果2万年前にロシア極東から南下してきたが北アルプスと南アルプスの集団では別系統である。
遺伝的多様性は 火打山>北アルプス>南アルプス>御嶽 の順。
ちなみに白山で確認された雌の個体は北アルプス系統。

南アルプス白峰三山が緊急に対策が必要と感じていて雛の孵化直後から3ヶ月の生存率が低い時期に限ってケージで保護する事を試験的に行っている。親と雛を夜の間はケージ内に入れておき、昼間はそこから出して自由に行動させている。動画でも紹介。外で餌を食べたり遊んだあとにちゃんとケージに戻ってくる様子が見られる。この取り組みについて質問させていただく。今後猿に捕食された山域など緊急度に応じて各山域に横展開出来るのかどうか。中村教授から今回の結果が良好なので環境省に働きかけていくとの回答。もちろん雷鳥サポーターの協力も必要である。

他の方からの質問
御嶽の雷鳥はどうなったのか?
火山灰の範囲は雷鳥生息域より上なので大丈夫だと思っている。
来年調査予定。

ケージ保護の費用などは入山料から賄ってはどうか?
県の担当者、前向きに検討。

雷鳥の補食などを目撃した場合どう行動すべきか?
猿やカラスなど元々高山帯にいない動物の場合は追い払うなどの行動はしてほしい。もちろん安全に十分配慮して。こうした野生動物と人間の間には一定の緊張関係があった方が望ましい。

講習会終わってから最後にマスコミに囲まれてる中村教授に割り込んで質問攻めしてしまいました。

冬に鳳凰で見た群れは白峰三山から移動と思われる事。
しかも谷に降りてではなく直接稜線から稜線は可能。直線で7kmあるがそれくらいは飛べるらしい。

十石山で見た個体群は焼岳のグループとの事であった。

次から足環あるか確認して色の報告もよろしくとの事で名刺いただきました。
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