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2015年11月23日20:11

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「にごりえ」 「薩チャン正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮闘記」 「尚衣院 サンイウォン」

17日は 「にごりえ」
      「薩チャン正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮闘記」、

18日は 「尚衣院 サンイウォン」
      「ムーン・ウォーカーズ」を観に行きました。





「にごりえ」 ’53  監督:今井正

「薩チャン正ちゃん 戦後独立プロ奮闘記」公開に連動した
特集上映の1本。
未見の「真空地帯」を観るつもりだったのが曜日を間違えて…。
これはTVやビデオで何回か観たことがあったのだけれど
文学座の若手(当時の)が大挙して登場しているのが一番目を引く…というのは措いて、
セット撮影の美しさとモノクロの陰影の華麗が
樋口一葉の明治を絵物語のように語るのにうっとりしてしまう。
なんと言うか…
御維新から間もない明治の日本人の“私のわきまえ方”が
「十三夜」の せきに 録之助に
「大つごもり」の みねに 石之助に
「にごりえ」の お力に 朝之助に 源七に現れていて
その哀しい美しさを好むところに
日本人の日本人らしさがあるのだなぁ…と思ってしまう。
樋口一葉の“女”はいい。
まぎれもなく女の属性の真正を抱えているのに
生々しくなく どこまでも哀しい。
今井正はそれをモノクロの画に掬って
日本人にとって“儚さ”とは何か?を画で語っていると思う。
秀作。





「薩チャン正ちゃん 戦後独立プロ奮闘記」 ’15  監督:池田博穂

東宝争議を機に独立プロダクションが次々と誕生した経緯を
山本薩夫,今井正の二人を軸に
懐かしく興味の尽きない作品群と共に語るドキュメンタリー。
非常に面白かった!
いや…途轍もなく面白かった! 思惟太にとっては。
東宝争議を詳解する内容ではないけれども
東宝は社風として戦前から縁故採用を取らない自由な採用が災いして
労働争議となった…とか言われると、
なるほど山本も今井も左翼だったのね…と
戦後すぐのこの時期の占領も含めた社会の在りようが興味深い。
映画に関わる人々の若いエネルギーが湧出するのをリアルに感じる“あの頃”が
何だか眩しいのだった。
登場する作品はいかにも左翼系と思われるものも多いけれど
60年代中国でそれらが高く評価されていた…とか言われると
共産中国と左翼はちゃんと繋がってたのね…と今さら驚いたり。
これも観たいあれも観たい!と登場する作品の映像にワクワクしてしまう
映画ファン必見のドキュメンタリーである。





「尚衣院 サンイウォン」 ’14 (韓)

監督:イ・ウォンソク
m:ハン・ソッキュ,コ・ス,ユ・ヨンソク
f :パク・シネ

宮廷の衣装を司る「尚衣院(サンイウォン)」を舞台にしたお馴染みの韓国宮廷もの。
全然期待していなかったけど
お、面白いっ!
3代の王に仕え尚衣院で長を極めた職人肌の中年男と
市井のデザイナーとして天才を発揮する青年の関係性が
まんま「アマデウス」なのだ。
これに兄の死により王座に就いた若き王の“権力者の孤独”―
正妻でありながら処女である王妃への青年の禁断の恋慕―
そしてもちろん
次々と現れる目にも鮮やかな民族衣装の華麗―と
欲張り過ぎな内容だけれど、
よく纏まっていて
非常に観応えのあるエンタメ作品になっていると思う。
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