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2015年11月15日16:03

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日本フィル横浜定期演奏会@312(2015.11.14)インキネンの弾き振りバッハとシベリウス

2015.11.14 於:神奈川県民ホール

(前半)
シベリウス
 歴史的情景第2番 作品66

J.S.バッハ
 2挺のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043

(後半)
チャイコフスキー
 交響曲5番 ホ短調 作品64

(アンコール)
シベリウス
 アンダンテ・フェスティーヴォ

 指揮とヴァイオリン:ピエタリ・インキネン
 ヴァイオリン:扇谷 泰朋
 コンマス:扇谷 泰朋

土曜日の定期演奏会はみなとみらいホールが吹奏楽大会と重なったためか、珍しく県民ホールでの開催となりました。あいにくの雨模様で山下公園や大桟橋の夜景はあまり見えませんでしたが、それでもいつもとはまた違う港の雰囲気を楽しむ事ができました。

今回は日本フィルの次期主席指揮者となるインキネンのシベリウスとチャイコフスキーそれに、ヴァイオリンの弾き振りのバッハと盛りだくさんのプログラム。

前半のシベリウスの歴史的情景第2番は初めて聴く曲でしたが、会場の空気に溶け込むようなシベリウスサウンド満載の素敵な曲、インキネン氏には今年春の定期演奏会でもまさにシベリウスといえる精緻で絶妙(肯定的意味で曲調の事)なサウンドを聴かせていただいており、今回も期待通りの見事な演奏。20分程の演奏時間はあっという間でした。珍しくヴィオラがソロで活躍する場面もあり、曲に一層の奥行きを与えているようでした。

そして、バッハ。4歳からヴァイオリンを習っていたというインキネン氏の正確で軽やかな弾きぶりがバッハの静かな情熱のようなサウンドにマッチしていました。そこだけちょっとびっくりするような神々しい雰囲気に包まれ、まだ前半なのに思わず落涙する始末。



後半は定番中の定番のチャイコフスキー。第5番は日本フィル自体がやりすぎている感があるため、いかに演奏者に緊張感を与え、聴衆を惹き込む指揮をするかが問われる(あくまで個人的には)気がするのですが、氏の演奏は線や流れよりも個々の楽器を丁寧にあぶり出し、淡々と丁寧に演奏するスタイルで(に見えました)これまで私が聞いていた5番とは明らかに異なるアプローチです。

ロジックよりも感情に流されてしてまう私個人としてはちょっと物足りない演奏で、もうちょっと感情移入(してる風)が欲しかったです。

とはいえ、金管(特にホルン)の活躍は際立っていて、そういう意味でも各楽器セクションの個が際立つ演奏なのだなあという気がしました。(色々なタイプの指揮者を入れてオケにも拡がりが出るのだし、私も次回、氏の「悲愴」を聴ける機会あれば絶対に行きたいと思いました)


アンコールのアンダンテ・フェスティーボ。これは、美しい弦のサウンドそのまま、いつもより広い県民ホールの天井に向かって昇天してしまったのは言うまでありません。


雨の県民ホール
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