私の運転免許証は平成28年の誕生日(81歳)まで有効です。先日、関東に住む愚息が突然やってきました。ちょっと日程的に空きができたので来てみたといいます。電話での応対はあるのですが、10年以上顔を合わせていないので、様子を見に来たのだそうです。
3泊4日の滞在でしたが、種子島の温泉に入ってみたいと言い出したので、私の運転で中種子の町営温泉に連れて行きました。国道58号線を快適に走ります。前を走る車はいません。
比較的長い直線コースを走っているとき、後部席に座っていた息子が突然叫びました。
「お父さん、スピード出し過ぎだよ」
私としてはそれほどアクセルを踏んでいる感覚はなかったのですが、メーターを見たら80キロになっていました。すぐ60キロに戻したのですが、息子はさらに言いました。
「お父さんはね、高齢運転者なんだから、制限時速の50キロで走らなければだめだよ」
「50キロで走っていると、追い抜いて行く後続車の迷惑になるだろう」
「そういうときは左に寄って追い抜かせればいいの」
若いころはガンガン飛ばしていた息子の言葉とも思えませんでしたが、考えてみればその息子ももう47歳。「ハイ、ハイ、分かりました」と素直に従ったのでした。
「車の運転は気をつけてよ、じゃあね」
そう言い残して帰って行ったのですが、後で考えてみたら思い当ることがありました。
3年前に娘が来た時「お父さんの運転は荒いね」といわれたのでした。それを聞いた息子が、わざわざ確かめに来たのではなかったか…。この思いをカミさんに話しましたら「きっとそうだわよ、老いては子に従えよね」と、したり顔で結んだのでした。
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