mixiユーザー(id:62927979)
2015年10月27日01:39
702 view
地球を破壊する簡単な方法(2)答え合わせ編…のはずだったが…
いよいよimpact:Earth!の話。
日曜日に何度か試してみて、何とかこつをつかんだので、前回計算した半径440�劼両�惑星が衝突したときに何が起こるか、専門家の考えを知ることができた。以下はその結果である。
衝突天体の半径が半径440�劼箸垢襪搬寮僂�3.57×10^17m^3で、密度3.0とすると質量は1.07×10^21�圓箸覆襦Ｃ狼綣僧未�6×10^24�圓覆里如△�よそ地球の6000分の1だ。
これを秒速20�劼脳彳佑気擦討澆拭�サイトでは衝突の角度を自由に変えられるが、あまり細かい議論は必要ないので、衝突のエネルギーが最大限地球に伝わるように地表に垂直に衝突させる。あと衝突地点が陸か海か、陸でも土壌か岩石か選べる。考えるのが面倒なので普通の地面にした。
さて、衝突の情景がどんなふうにシミュレートされるかと期待して距離を10万�劼砲靴燭蕁�
Distance from the target must be less than half the circumference of the Earth
（衝突地点からの距離は地球の円周の半分より小さくなければなりません）
と出た。意外と気難しいプログラムである。
ともかく最大距離の2万�劼砲箸辰拭�つまり観測地点を衝突地点に対して地球の反対側にした。
その結果――
大気圏突入：報告できるデータがありません。
エネルギー：2.14 ×10^29 ジュール=TNT換算5.11×10^13メガトン
地球全体のダメージ：一日の長さの変化は重大でありません。
クレーター：複雑クレーター
放出物：もっと多くのデータを利用できます。
熱放出：もっと多くのデータを利用できます。
地震現象：1.11時間後に到着します。
爆風：16.8時間後に到着します。
津波：報告できるデータがありません。
-----------
なお、「複雑クレーター」(complex crater)とは、一度できたクレーターが崩れて底が埋まったものをいう。ある程度大きなクレーターはすべて複雑クレーターである
パラメーターを変えて何度かやってみたが衝突の動画は全部同じだった。衝突地点はアメリカ北西部と設定してあるようだ。そこから地球の反対側は、
http://
地球の裏側がどこなのかを正確に知ることが出来る「対蹠地の地図」
を見たところ、オーストラリア南西のインド洋上のようだ。衝突地点と観測地点を任意に選べるようにしてほしかった。日本を観測地にしたいとき困る。まあその場合は衝突地点を海と設定すれば済むが。
で、より詳しいデータとやらを見る。
----------------
大気圏突入前のエネルギー：
この規模の衝突の平均的時間間隔は地球の年齢より長くなります。
45億年から40億年の間で、そのような衝突は地球が形成される時に起こることができるだけでした。
地球全体のダメージ：
衝突によって地球は強くかき乱されず、質量は無視できる程度しか減りません。
衝突は地軸の傾きに目立つ変化をもたらしません。（100分の5度より小さい）
衝突の距離と方向に従い、衝突によって一日の長さが最大で2.22ミリ秒変化する場合があります。
衝突で地球の軌道は目立って変化しません。
(……なんだ大したことないのか。いや違うって）
クレーターの寸法：
一時的にできるクレーターの直径：2530 km
一時的にできるクレーターの深さ：893 km
最終的なクレーターの直径：7030 km
最終的なクレーターの深さ：4.26 km
形成されるクレーターは複雑クレーターです。
衝突地点で溶けたり蒸発したりする体積は1910000000km^3です。
溶けた物質の約半分、平均して厚さ380 kmの物質がクレーターの中に残ります。
衝突による放出物：
岩石質の噴出物はほとんどこの地点まで届きません。
主な降下物は、衝突した天体から生じた蒸気が凝縮したものになります。
熱放射：
火球は地平線の下になります。直接の熱放射は届きません。
地震の効果：
主要地震動は、衝突のおよそ1.11時間後に起こります。
リヒタースケールマグニチュード：13.8（これは歴史上記録されたどんな地震よりも大きい）
メルカリ震度階級（20000kmの距離での）：（これは所謂「震度」だが、なぜか数値が表示されない）
よく設計された構造のビルや構造物は無視できる程度の損害しかありません。振動を和らげるように作られた頑丈な構造物の損害はわずかです。きちんと建造されなかったか設計が悪い構造物はかなり損害を受けます。何本かの煙突が倒れました。
特別に設計された構造物の損害は軽微です。標準的な丈夫な構造物の主要な損害は部分的な崩壊です。まずく建造された構造物は大きなダメージを受けます。煙突、工場の煙突、柱、記念碑、壁が落ちます。重い家具が倒れました。
爆風：
爆風は衝突の16.8時間後に到着します。
ピーク圧力は2800000パスカル = 28バールです。（つまり28気圧）
最高風速は1320m/s です。（約マッハ4）
音の強度：129デシベル（危険なほど大きい）(飛行機のエンジンのすぐ近くと同程度の音である)
被害の説明：
壁式構造の高層建築は崩壊します。木造建築はほとんど完全に崩壊します。鉄骨軸組構造の高層オフィスビルの軸組は崩壊の初期段階の極めて大きな歪みを生じます。
高架トラス橋と高架桁橋は崩壊します。ガラス窓は粉々になります。車とトラックは元の場所から大きく動かされ、著しく歪んで使用前に作り直す必要があります。90パーセントの木は吹き倒され、残りも枝と葉をはぎとられます。
----------------
こんな風になった。津波の影響だけわからない。衝突地点を陸地に指定したからだが、ここを見るためにもう一回やってみよう。
衝突地点を Water of Depth 4000 m
として再試行。
その結果――
----------------
海水に生じるクレーターは直径4030kmです。
海底につくられるクレーター：
一時的なクレーター直径：2460km
一時的なクレーターの深さ：870km
最終的なクレーター直径：6830km
最終的なクレーター深さ：4.22km
形成されるクレーターは複雑クレーターです。
溶かされるか、蒸発する衝突地点の体積は1900000000km^3です。
溶けた物質の約半分はクレーターの中に残ります。その平均厚みは399kmです。
----------------
陸と海でできるクレーターを比較してみると、
海底にできるクレーターは陸上の場合とほとんど同じだった。衝突天体の直径は水深の200倍もあるので、海があってもなくてもほとんど影響しないということか。それでも、エネルギーの一部が海水に奪われるせいかクレーターがわずかに小さくなる。
クレーター以外の項目も見たが、陸地の場合と全て同じだった。最後に、津波はというと――
----------------
津波：
21.8時間後に到着します。
津波の振幅は403メートルと806メートルの間になります。
----------------
つまり地球全体を少なくとも400メートルの高さの津波が襲うわけだ。深刻な被害には違いないが、標高1000メートル以上の高地、地球の陸地の1パーセント程度は被害を免れるはずである。
こんなふうに一通り見て「何だ大した被害じゃないのか」と思ってしまった。いや大変な被害だが、地球が破壊される事態にはほど遠い結果だ。
結局自分のやった計算はほとんど役に立たなかったのかと落胆したが、いや待てと思い直した。
手元に『NHKスペシャル 地球大進化 1』(NHK出版2004年)がある。そこでシミュレートされている直径400�劼両�惑星衝突の影響は実に恐ろしいものである。今回は二倍以上大きく、質量は約10倍の天体が衝突するので、被害がもっと大きくならなければおかしい。
それなのに、この結果では被害が小さすぎやしないか。
どうもimpact:Earth!のシミュレーションの方に問題がある気がしてならない。
しかし疑う前にまず汝自身を知れというわけで、NHK番組の小惑星のエネルギーを確かめてみた。そのためには小惑星の質量が必要だが、NHK出版のテキストには肝心の質量が書かれていない。 あるのは「バリンガー隕石孔をつくった隕石の直径の1万倍、重さでは1兆倍にもなる」（p74）という記述だけだ。
その隕石はimpact:Earth!のサイトにも載っていて直径40メートル、密度8000（8.0）となっていた。それだと質量は約2.7×10^8�圓砲覆襦�
とすればその一兆倍はだいたい3×10^20�圈�その直径が4×10^5mなので体積は3.35×10^16m^3、密度は８から９となる。ということはバリンジャー隕石と同じ鉄質の小惑星か……岩石と同じ密度と思ってたのは勘違いだった。
これで結果はどう違ってくるか。直径880km、密度3.0の場合の質量は1.07×10^21�圓如¬�10^21�圓世�ら、NHKシミュレーションの小惑星の質量を3×10^20�圓箸垢襪函△修量�3倍。
衝突エネルギーは質量に比例し速度の2乗に比例するので、速度が同じ秒速20kmなら、エネルギーは3倍。
勘違いしていたときよりエネルギーは小さくなったが、それでも数倍大きい。よって被害規模がNHKシミュレーションを上回らなければならないことに変わりはない。
かくして、impact:Earth!の結果は当てにならないという印象は強まるばかりなのだった。
答え合わせができると喜んだのもつかの間、混迷がさらに深まる結果になった。
ということで中間報告は終わり。
日曜日に何度か試してみて、何とかこつをつかんだので、前回計算した半径440�劼両�惑星が衝突したときに何が起こるか、専門家の考えを知ることができた。以下はその結果である。
衝突天体の半径が半径440�劼箸垢襪搬寮僂�3.57×10^17m^3で、密度3.0とすると質量は1.07×10^21�圓箸覆襦Ｃ狼綣僧未�6×10^24�圓覆里如△�よそ地球の6000分の1だ。
これを秒速20�劼脳彳佑気擦討澆拭�サイトでは衝突の角度を自由に変えられるが、あまり細かい議論は必要ないので、衝突のエネルギーが最大限地球に伝わるように地表に垂直に衝突させる。あと衝突地点が陸か海か、陸でも土壌か岩石か選べる。考えるのが面倒なので普通の地面にした。
さて、衝突の情景がどんなふうにシミュレートされるかと期待して距離を10万�劼砲靴燭蕁�
Distance from the target must be less than half the circumference of the Earth
（衝突地点からの距離は地球の円周の半分より小さくなければなりません）
と出た。意外と気難しいプログラムである。
ともかく最大距離の2万�劼砲箸辰拭�つまり観測地点を衝突地点に対して地球の反対側にした。
その結果――
大気圏突入：報告できるデータがありません。
エネルギー：2.14 ×10^29 ジュール=TNT換算5.11×10^13メガトン
地球全体のダメージ：一日の長さの変化は重大でありません。
クレーター：複雑クレーター
放出物：もっと多くのデータを利用できます。
熱放出：もっと多くのデータを利用できます。
地震現象：1.11時間後に到着します。
爆風：16.8時間後に到着します。
津波：報告できるデータがありません。
-----------
なお、「複雑クレーター」(complex crater)とは、一度できたクレーターが崩れて底が埋まったものをいう。ある程度大きなクレーターはすべて複雑クレーターである
パラメーターを変えて何度かやってみたが衝突の動画は全部同じだった。衝突地点はアメリカ北西部と設定してあるようだ。そこから地球の反対側は、
http://
地球の裏側がどこなのかを正確に知ることが出来る「対蹠地の地図」
を見たところ、オーストラリア南西のインド洋上のようだ。衝突地点と観測地点を任意に選べるようにしてほしかった。日本を観測地にしたいとき困る。まあその場合は衝突地点を海と設定すれば済むが。
で、より詳しいデータとやらを見る。
----------------
大気圏突入前のエネルギー：
この規模の衝突の平均的時間間隔は地球の年齢より長くなります。
45億年から40億年の間で、そのような衝突は地球が形成される時に起こることができるだけでした。
地球全体のダメージ：
衝突によって地球は強くかき乱されず、質量は無視できる程度しか減りません。
衝突は地軸の傾きに目立つ変化をもたらしません。（100分の5度より小さい）
衝突の距離と方向に従い、衝突によって一日の長さが最大で2.22ミリ秒変化する場合があります。
衝突で地球の軌道は目立って変化しません。
(……なんだ大したことないのか。いや違うって）
クレーターの寸法：
一時的にできるクレーターの直径：2530 km
一時的にできるクレーターの深さ：893 km
最終的なクレーターの直径：7030 km
最終的なクレーターの深さ：4.26 km
形成されるクレーターは複雑クレーターです。
衝突地点で溶けたり蒸発したりする体積は1910000000km^3です。
溶けた物質の約半分、平均して厚さ380 kmの物質がクレーターの中に残ります。
衝突による放出物：
岩石質の噴出物はほとんどこの地点まで届きません。
主な降下物は、衝突した天体から生じた蒸気が凝縮したものになります。
熱放射：
火球は地平線の下になります。直接の熱放射は届きません。
地震の効果：
主要地震動は、衝突のおよそ1.11時間後に起こります。
リヒタースケールマグニチュード：13.8（これは歴史上記録されたどんな地震よりも大きい）
メルカリ震度階級（20000kmの距離での）：（これは所謂「震度」だが、なぜか数値が表示されない）
よく設計された構造のビルや構造物は無視できる程度の損害しかありません。振動を和らげるように作られた頑丈な構造物の損害はわずかです。きちんと建造されなかったか設計が悪い構造物はかなり損害を受けます。何本かの煙突が倒れました。
特別に設計された構造物の損害は軽微です。標準的な丈夫な構造物の主要な損害は部分的な崩壊です。まずく建造された構造物は大きなダメージを受けます。煙突、工場の煙突、柱、記念碑、壁が落ちます。重い家具が倒れました。
爆風：
爆風は衝突の16.8時間後に到着します。
ピーク圧力は2800000パスカル = 28バールです。（つまり28気圧）
最高風速は1320m/s です。（約マッハ4）
音の強度：129デシベル（危険なほど大きい）(飛行機のエンジンのすぐ近くと同程度の音である)
被害の説明：
壁式構造の高層建築は崩壊します。木造建築はほとんど完全に崩壊します。鉄骨軸組構造の高層オフィスビルの軸組は崩壊の初期段階の極めて大きな歪みを生じます。
高架トラス橋と高架桁橋は崩壊します。ガラス窓は粉々になります。車とトラックは元の場所から大きく動かされ、著しく歪んで使用前に作り直す必要があります。90パーセントの木は吹き倒され、残りも枝と葉をはぎとられます。
----------------
こんな風になった。津波の影響だけわからない。衝突地点を陸地に指定したからだが、ここを見るためにもう一回やってみよう。
衝突地点を Water of Depth 4000 m
として再試行。
その結果――
----------------
海水に生じるクレーターは直径4030kmです。
海底につくられるクレーター：
一時的なクレーター直径：2460km
一時的なクレーターの深さ：870km
最終的なクレーター直径：6830km
最終的なクレーター深さ：4.22km
形成されるクレーターは複雑クレーターです。
溶かされるか、蒸発する衝突地点の体積は1900000000km^3です。
溶けた物質の約半分はクレーターの中に残ります。その平均厚みは399kmです。
----------------
陸と海でできるクレーターを比較してみると、
海底にできるクレーターは陸上の場合とほとんど同じだった。衝突天体の直径は水深の200倍もあるので、海があってもなくてもほとんど影響しないということか。それでも、エネルギーの一部が海水に奪われるせいかクレーターがわずかに小さくなる。
クレーター以外の項目も見たが、陸地の場合と全て同じだった。最後に、津波はというと――
----------------
津波：
21.8時間後に到着します。
津波の振幅は403メートルと806メートルの間になります。
----------------
つまり地球全体を少なくとも400メートルの高さの津波が襲うわけだ。深刻な被害には違いないが、標高1000メートル以上の高地、地球の陸地の1パーセント程度は被害を免れるはずである。
こんなふうに一通り見て「何だ大した被害じゃないのか」と思ってしまった。いや大変な被害だが、地球が破壊される事態にはほど遠い結果だ。
結局自分のやった計算はほとんど役に立たなかったのかと落胆したが、いや待てと思い直した。
手元に『NHKスペシャル 地球大進化 1』(NHK出版2004年)がある。そこでシミュレートされている直径400�劼両�惑星衝突の影響は実に恐ろしいものである。今回は二倍以上大きく、質量は約10倍の天体が衝突するので、被害がもっと大きくならなければおかしい。
それなのに、この結果では被害が小さすぎやしないか。
どうもimpact:Earth!のシミュレーションの方に問題がある気がしてならない。
しかし疑う前にまず汝自身を知れというわけで、NHK番組の小惑星のエネルギーを確かめてみた。そのためには小惑星の質量が必要だが、NHK出版のテキストには肝心の質量が書かれていない。 あるのは「バリンガー隕石孔をつくった隕石の直径の1万倍、重さでは1兆倍にもなる」（p74）という記述だけだ。
その隕石はimpact:Earth!のサイトにも載っていて直径40メートル、密度8000（8.0）となっていた。それだと質量は約2.7×10^8�圓砲覆襦�
とすればその一兆倍はだいたい3×10^20�圈�その直径が4×10^5mなので体積は3.35×10^16m^3、密度は８から９となる。ということはバリンジャー隕石と同じ鉄質の小惑星か……岩石と同じ密度と思ってたのは勘違いだった。
これで結果はどう違ってくるか。直径880km、密度3.0の場合の質量は1.07×10^21�圓如¬�10^21�圓世�ら、NHKシミュレーションの小惑星の質量を3×10^20�圓箸垢襪函△修量�3倍。
衝突エネルギーは質量に比例し速度の2乗に比例するので、速度が同じ秒速20kmなら、エネルギーは3倍。
勘違いしていたときよりエネルギーは小さくなったが、それでも数倍大きい。よって被害規模がNHKシミュレーションを上回らなければならないことに変わりはない。
かくして、impact:Earth!の結果は当てにならないという印象は強まるばかりなのだった。
答え合わせができると喜んだのもつかの間、混迷がさらに深まる結果になった。
ということで中間報告は終わり。
0
2
ログインしてコメントを確認・投稿する