塩谷 直義監督 東宝
気になってた劇場版、やっと見れました。期待値が高かったんですが、普通に面白かったです。
ただ、やはりシビュラシステムの崩壊までは描かれず、シビュラシステムの輸出に伴う外の世界を描く事に若干の違和感はありますね。どうしても私は槙島目線で物語を見てしまうので。
今回はあくまで常森と狡噛の物語にしたかったんでしょうね。
アテンション・プリーズ!
ネタバレありますし、感想はチト辛めです。
う〜ん、シビュラシステムを輸入、なんとなく分かりますが、システムの外に出ると、シビュラというシステムの中での葛藤が生きなくなってしまいます。この話しはシビュラシステムと人間の戦いを見せて欲しかったので、そこが残念。
都市犯罪とゲリラ討伐や内戦とはレベルが違い過ぎて少々興醒めです。都市犯罪の、限られた空間の閉ざされた手段や社会システムの中での葛藤だからこそ光った作品だと思うので。無理やりシャノンの言葉を入れてそういうファン層にも響かせてる感じがした。
途中に「独裁者の色相は?」という一言で、なんとなく分かってしまいました・・・だってこのシビュラシステムがあれば独裁との親和性はめちゃ高いですし。でも逆に気になった部分もあって、このサイコパスの特に1期はものすごくロジカルで、社会システム論として面白かったんですが、そのロジカルにいろいろ気になる部分が出てきてしまいました。
確かに、シビュラシステムを輸入する環境を整えるまで待つ、と言ってましたが、だったらもう少し上手く出来なかったのかな?と思います。ハン議長をすり替えられるほどにコミットメント出来ているならやはり常森の排除が目的であったんであろうし、そうすると最初に日本に潜伏してきた男達を先導したのは一体だれなんだ?というかそれこそシビュラであるなら、常森や狡咬の絶体絶命のピンチに都合よく常森班が駆けつけるのに無理があり、その辺の伏線を上手くはれてなかったように感じました。
あと劇場版だから当然なんですが、尺の問題があって傭兵チームという敵の見せどころが難しかった。そのバランスのせいで狡噛が特異的に強いように見えます。
と、不満も言いつつも、やはり常森のどこまでも正しくも『したたかさ』を手に入れてゆく過程や、その目的としての狡咬への何かしらの個人的な情を含んだ複雑な想いの成長を感じられて良かったです。何より良かったのは宜野座と狡咬の言葉にしなくとも繋がる関係性、バディ感が最高に上がりましたね。
そして残留思念としての、自己内対立軸としての槙島が出てきたところで私的には大満足です。そう考えると1期のサイコパスは本当に良く出来た話しだった、その終着点の高みを超えられなかったからこそ、シビュラの外に出ざるを得なかったのかな?と。
もう続く事はないのかな?そんな最後。
ログインしてコメントを確認・投稿する