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2015年10月07日21:34

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有島武郎 

http://www.ne.jp/asahi/kaze/kaze/arisima.html

この人のサイトは、いつも分かり易く、詳しく、感心する。

有島武郎の分析も素晴らしい。

有島は、童貞を結婚まで守った男である。
それまで、さんざん、男色をさせられたり、年上女性に迫られたりしていたが。
自分から惚れたのは、清純な10代の少女ばかりで、それもプラトニック。
せいぜい、キスを一回するだけだった。

親の反対で相思相愛の女性をあきらめるのは、芥川と同じで、長男の宿命か?
妻は若死にするが、夫の日記を読んで、その女性のことも知っていた。

この人のサイトには、13歳のファニー、15歳のリリー、札幌の少女(キスしてしまう)
神近市子(キスして別れる)、望月百合子(石川三四郎の相手になる)、他、
茶店の女性、寿司屋の女性、代議士夫人(これは、惚れられた方)と、
相思相愛の河野信子(新渡戸稲造の姪)、と9人載っていて、心中した秋子で10人だが、

他にも、ここに書いていない、文通相手のスイスの女性、女中のタケさんがいる。

男色に引きずりこんだ学友は、知らぬ間に結婚し、母校の肩書は彼の方が上になっていた。
この男性の責任感の無さ、不誠実は 呆れさせる。
有島のほうでも、呆れて、責める気も起らなかったようだ。

人格円満な有島は、全ての人から常に愛される。

有島は、たいして男性ホルモン的魅力はないと思うが、
知的で、超マジメで、やさしかったのだろう。

心中した、秋子は、たしか、妊娠していたと どっかで読んだ。
多分 そのせいで、秋子は、決着を急いでいたのだろう。
彼女も有島も、自分の子供の命や人生がかかっているのに、
それを守りたい、どんな苦しみを受けても、という親の自覚が無い。
ここらが分からない。恋に酔っていたのか?
ここらは、恥をかいても、死ななかった島崎藤村と比べてしまう。

彼女は知性と美貌に自信があったが、生まれに引け目があった。
母にも、夫にも愛されたが。
有島の貴族的生まれと自由さが、魅力だったに違いない。

芥川と同じで、大家族を背負わされて 疲れ切った有島は
もう、たとえ2年でも、監獄は耐えられず、金に追い回されるのも耐えられず、
一生一度の本音で生きる道を選んだ。
気の強い祖母や叔母達の存在も、芥川と似ている。

多分、子供たちのことも、金銭的に心配なかったためだろう。

弟達は、妻に逃げられたり、芸者と結婚して子供が生まれても浮気していたり、
うまくいっていなかった。
しかし、弟や妹達(6人いた)の感心なところは、有島が北海道の地所を寄付する事に
反対しなかった点である。
もちろん、まだまだ財産がたっぷりあったせいであろうが。
有島は、寄付を受けて自作農になった人達が、そのうち、
土地を奪われてしまう可能性も考えていた。
それでも手放したのは、管理の煩雑さに耐えきれなかったためらしい。


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