■保育士の給与はなぜ低いのか 待機児童問題から考える
(朝日新聞デジタル - 10月06日 11:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3649978
保育士の給与はなぜ低いのか。
国が意図的に低く設定しているからである。
記事の中では、日本総研の
池本研究員のコメントとして
「さらに制度的な要因もあります。認可保育所の場合、財源は基本的に公的な補助金と、親が払う保育料です。その保育料は公定価格で決まっているので、事業者側が勝手に定めることができません。基本的に、補助金か保育料を上げないと保育士の給料は上がりません」
などと説明している箇所があるが、
そもそも、「子ども・子育て支援新制度」では
[公定価格=補助金+保育料]
[公定価格-保育料=補助金]
である。
行政が認可保育所の公定価格を上げれば、
保育園への補助金が上がり、給与も上がる。
逆に言うと、認可保育所の公定価格を
政府が政策的に低く抑えているからこそ、
保育士の給与も低いままなのである。
週5日1日4時間開所で
夏・冬・春休みありの幼稚園と
週6日1日8-11時間で
夏・冬・春休みなしの認可保育所は、
実は、「新制度」における公定価格が
ほとんど同じに設定されている。
厳密に言うと月額ではわずかに保育所が高いが
これこそまさに数字のカラクリであって、
実は、日割り計算してみると
保育所には、幼稚園の70.4%から84.6%に当たる割合しか
補助金が出ないしくみになっていることがわかる。
※2015年08月27日過去日記
「平成27年 市交渉」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1945508010&owner_id=336558
幼稚園教諭と保育士の人件費基準も
一見すると「ほとんど同じ」だが、
幼稚園は年間200日、
800時間開所である。
認可保育所は年間300日、
2400−3300時間開所である。
それなのに
「必要な人件費は、ほとんど同じ」
として計算されている。
残業代もコミコミである。
だから、保育士の給与は
時給ベースで考えると格段に安くなる。
過重労働に見合わない低賃金となる。
こういった格差構造を随所で
意図的に作り出そうとしている潮流が
「子ども・子育て支援新制度」の本質であり、
保育士の給与が改善されない根本原因なのだ。
今回の朝日の記事に、特に反対すべき所はないが
「新制度」の問題点をボカそうとしているから
論点がとっちらかった構成になっているものと
お見受けする次第である。
ログインしてコメントを確認・投稿する