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2015年10月07日07:38

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朝日の記事は焦点がボケ過ぎ

■保育士の給与はなぜ低いのか 待機児童問題から考える
(朝日新聞デジタル - 10月06日 11:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3649978

保育士の給与はなぜ低いのか。
国が意図的に低く設定しているからである。

記事の中では、日本総研の
池本研究員のコメントとして

「さらに制度的な要因もあります。認可保育所の場合、財源は基本的に公的な補助金と、親が払う保育料です。その保育料は公定価格で決まっているので、事業者側が勝手に定めることができません。基本的に、補助金か保育料を上げないと保育士の給料は上がりません」

などと説明している箇所があるが、
そもそも、「子ども・子育て支援新制度」では

[公定価格=補助金+保育料]

[公定価格-保育料=補助金]

である。

行政が認可保育所の公定価格を上げれば、
保育園への補助金が上がり、給与も上がる。

逆に言うと、認可保育所の公定価格を
政府が政策的に低く抑えているからこそ、
保育士の給与も低いままなのである。

フォト


週5日1日4時間開所で
夏・冬・春休みありの幼稚園と

週6日1日8-11時間で
夏・冬・春休みなしの認可保育所は、

実は、「新制度」における公定価格が
ほとんど同じに設定されている。

厳密に言うと月額ではわずかに保育所が高いが
これこそまさに数字のカラクリであって、
実は、日割り計算してみると
保育所には、幼稚園の70.4%から84.6%に当たる割合しか
補助金が出ないしくみになっていることがわかる。

※2015年08月27日過去日記
「平成27年 市交渉」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1945508010&owner_id=336558
フォト



幼稚園教諭と保育士の人件費基準も
一見すると「ほとんど同じ」だが、

幼稚園は年間200日、
800時間開所である。

認可保育所は年間300日、
2400−3300時間開所である。

それなのに

「必要な人件費は、ほとんど同じ」
として計算されている。

残業代もコミコミである。

だから、保育士の給与は
時給ベースで考えると格段に安くなる。
過重労働に見合わない低賃金となる。

こういった格差構造を随所で
意図的に作り出そうとしている潮流が
「子ども・子育て支援新制度」の本質であり、
保育士の給与が改善されない根本原因なのだ。

今回の朝日の記事に、特に反対すべき所はないが
「新制度」の問題点をボカそうとしているから
論点がとっちらかった構成になっているものと
お見受けする次第である。


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