mixiユーザー(id:2040115)

2015年10月04日23:42

302 view

ボスとヤマダと天使と私。

この夏。
多用していたお気に入りのペンダントの、ヘッドの石が取れてしまいました。
幸い小さな石は失くすことなく拾うことができたので
先日ネットで調べた会社近くの老舗時計店へ持参し、修理をお願いすることに。


小さな看板しかかかっていない、ビルの5階。
エレベータの扉が開くと、いきなり、店!?
度肝を抜かれますw


アンティークの時計がずらりと並び、絨毯敷きの店内。
おそるおそる一歩踏み出すと、
隅の方で談笑していたばあちゃん2人が振り向いて
「いらっしゃーい」て。


怖い!
なんかコワイ、ココ!


思いっきり腰が引けつつも、アラフォーの意地で背中を伸ばし、
「こ、こんにちわ、あの、修理を...」
と用向きをお伝えします。

ばあちゃんのうち、ボスっぽい方が
「修理ね、ハイハイ、ヤマダさん預かり証書いてもらってちょうだい」ともう一人のばあちゃんに指示。
同時に、「そこ、そこの椅子に座ってください」と私にも指示。


そこの椅子..どこ?
ああ、反対側の隅にカウンターテーブルと椅子があります。
はいはい、んじゃそこに座りましょう。

と、スタスタ歩いて座るも、一向にヤマダのばあちゃんがやってこない。
振り返ってみると、談笑してた店の隅からカウンターテーブルまで、
移動にめっちゃ時間かかってる!!?
ま、まあそうだろうなあ...ばあちゃん両方とも、少なく見積もっても80越えてるもん!

エレベーター降りたらいきなり店内、てことは、このビルの5階ワンフロアが全部店なんです。
つまり、ソコソコ広いのよねこの店。
その、端から端までを歩くわけだから...
ま、確かに遠いけどさ。遠いけど、そんなに時間かけて来るくらいなら、
むしろあたしがそっち行きますけど!?


ヤマダのばあちゃんのよちよち歩きを、いたたまれない思いで待ち続ける私マメシバ。
ところが、ようやく着いたヤマダのばあちゃん、
預かり証を出すのにもたもた
ペンを探してもたもた
そこから更に客を待たせます。

もう帰りたい...
そう思った私を、誰が責められましょう。


ようやく預かり証を書ける態勢が整い、
ペンダントと石を受け取ったヤマダ、おもむろにルーペを取り出し鑑定を始めます!?
な、なんで鑑定...しかもヤマダが...

しばらくペンダントの留め金を、
顔を近づけたり遠ざけたり(ルーペの意味って...)しながら眺めていたヤマダ。
その間、ボスは店の隅から
「ヤマダさん、できる?」
「ヤマダさん、できるの!?」と叫びっぱなし。うるせえ...。

怖気づきまくる私マメシバ、小さな声で
「あ、あの、安物なんで鑑定とか別にいいんですけど...」と言ってみますが、
残念。
いくら目の前にいても、何かに集中しているアラエイト(80歳台?)に
小さな声なんて届くはずないんです。

とうとうヤマダ、ルーペとペンダントチェーンを手に立ち上がり...

うわ!

ボスのシマまでまた移動した...!!


客前から離れたとはいえ、結局ふたりの話声は私に丸聞こえなんです。
デカいんですよ声がふたりとも。
まあ、ヤマダにしてみたら別に客に遠慮して席外したワケじゃないんでしょうけど。

部屋の隅で、ババア二人が話すことには

「ヤマダさん、わかんないの?えっ、わかんないの?」
「これねえ、カラットが書いてないのよ、普通ここにねえ...ごにょごにょ」
「カラットあるでしょう、ここにあるでしょう、えっないの?」
「どこにあります?どうも私にはねえ...ごにょごにょ」
「プラチナのチェーンでしょう、プラチナの!?それにダイヤでしょう、あるでしょうどこかに!?」
「...」


そこでマメシバ、...アレ?と思います。

このペンダント、プラチナだっけ...?
もっと安物だった記憶があるよ。

んで、ヘッドはダイヤじゃないよねえ。
これは確実に、ムーンストーン。
あ、でも取れたムーンストーンとは別に、キラキラした小さい石が付いてるから、これひょっとしてダイヤだっけ。
...ええええ〜これダイヤだっけ...?


とりあえず、二人に向けて若干声を張って
「あの、そんな高い物じゃないと思うんですけどぅ〜....」
と声をかけてみるものの、残念。
いくら声張ったって、言い合いしてるアラエイト二人に届くはずないんです...。


...もう、ほんと、マジで帰りたいんですけど...。
言い争う(?)2人の声を背中で聞きながら、超居心地悪い私。
と、そこへ。

天使降臨!!!

なんと、ひとりのおっさんが外出から帰ってきたのです!!!


ああああ天使!
年食って黒髪で直毛だけど、ゼッタイ天使でしょあなた!?



おっさん、無言でヤマダとボスから書きかけの預かり証とペンダントチェーンを取り上げ、
スタスタ私のいるカウンターテーブルまでやってきます。
なんと移動時間にしてわずか10秒!!!
早い!
まっとうな移動時間だ!さすが天使!!


んでカウンターテーブルの向かい側に座り、
ルーペでペンダントを確認。


「...14K、ホワイトゴールド...ですか?」


あっ。
...そうそう、そんなだった。確か。

天使、ルーペを外してヘッドを肉眼で見やり、続けて


「...これはムーンストーン...」

あっ。そ、そう。
そうなの。
てか、あたしひとこともダイヤとか言い張ってないよ...?


大汗かきながら無言で何度も頷く私。
私を見ながら、天使は大声で
「ねえ、これプラチナじゃないですよ。ヘッドもダイヤじゃないみたいです」
と隅のババアへ確認。


ヤマダとボスは
「ええっ、プラチナじゃないの!?ダイヤじゃない?」
と言いながらよちよちこっちへ来て、
「あらそうなの?」
「どおりでカラット数が無いはずよね...」
と再度ペンダントをルーペで眺めまわします。

...てか、あたしひとこともダイヤとか...


まじでか。
何だこのいらん辱め...


とりあえず、動揺しながら天使の誘導でサクサク預かり証を記入。
連絡先を記入したあと、念のため
「あの、修理代っていくらくらい見ておけばいいですか」と聞いたところ

「あのー、修理いくらですか?」
と天使が大声でボスに確認!?
なに、修理ってあのババアがやんの?てかあいつマジボス...?

で、ボス曰く「うーーーん、2〜3,000円?」て。
た、高っ。高くね?特にお前がやんならちょっと高すぎじゃね!?

...た、高い...
高いけど、でも相場わかんないし、もう、いい。
とりあえずすっかり萎えてしまった私、了承して預けてきました。
もういいよ、とにかくもういい...。


なお、後でネット等で調べたところ最安値で1,500円〜くらいでした。
あの場では預かり証のための鑑定のみで破損状況まで見て無かったから、
多めに言ったんだと思う。
そう信じる。


創業60年の老舗時計屋。
女が仕事するには、これっくらいガンガンいかなきゃいかんのかなあ...。
己の甘さに凹んだ事件(?)でした。

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する