見事な黄金の田園の広がる実りを越えて
河川敷に来て少しジョギング、体力低下は久しい。
波の音である。
夕方佐川源太郎幸利は、寺のベンチに腰掛けて、ハガキを書いてみた。
車寅次郎、ほどではない、アタッシュケースを下げていったのである。
この公園は、震災の年の夏に道に落ちていた、セミを介護して、
その終焉の地を求めて、やってきた。立木の祠が、窕が、ふさわしいと思ったが、
外に出して葉の上に置いて去ったが、脚をばたつかせていた。
源太郎は再びセミを連れて家に戻り、セミは急逝する。
立往生だった。
葉書を書いてると雨が落ちた。
場所を移して仕上げると、車に乗って郵便局に向かった。
所を得なかった私は、城に救われた。
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