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2015年08月30日21:43

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Mirlard!(ミルラード) 第8話 戦争の傷痕 後編 その1

今回は、自分で考えたファンタジー系の物語を書こうと思います。

前編 その1
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1938298648&owner_id=6864704

前編 その2
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1938298760&owner_id=6864704



「もういいだろ、そろそろ潮時だろ。」
5年前の戦争で少年エージェント、コンラッドを討ち取ってその遺体を
保存して5年間、自分のベッドの下に安置していました。
その遺体を前に一緒にいたレオンに言いました。
そこでレオンは、
「潮時って何が?」
「コンラッドの遺体を葬りに行くんだよ。いつまでもここに置いておく
わけにはいかないからな。それも可哀想だろ。」
「葬りにって、まさか、アストールまで?」
「そう、アストールまで。コンラッドの出身地は南にあるメルセウス
だからな。そこで葬りに行くんだよ。」
「そうか。でも、お墓とかどうするんだ?勝手に埋葬するわけにも
いかないだろ。」
「大丈夫、そこの土地はもう買ってある。前もって準備はしていたんだよ。
あとは国王に連絡して行くだけだよ。」
「そっか。」
こうして、ロアはコンラッドの埋葬に行くことを決めました。
そして、国王にその申請を出しました。

数日後、国王メルティフェクス7世から呼び出しがかかりました。
ロアは、ローラン、レオン、フィム、ペティオスを連れて王の前で
謁見しました。
「このメンバーで行くつもりです。」
「そうか分かった。あとそれと、頼みがある。」
「はい、何なりと。」
「この国書をアストール国の国王に渡しておいてくれ。」
「はい、分かりました。」
「くれぐれも頼んだぞ。」

それからさらに数日後、ロアは、アストール王国へと向かった。
そして、アストール国王、ランディネイト7世と謁見し、国書を手渡した。
5年前、ミルラード王国とアストール王国は戦争を行ったが、この戦争は
ミルラード王国側がアストール王国の首都コルネシアを陥落させたことで
勝利した。そして、戦争終結の条約が結ばれ、以下のことが決まった。

・アストール王国は、ミルラード王国に5億ウェルスの賠償金を支払うこと
・国王クラウディウス5世は、ミルラード領のセントヘレイア島に流し、
 マグニス教信者の者を国王に即位させる。
・以後、アストール王国は、ミルラード王国に戦争を仕掛けないこと

こうして、アストール王国は、ミルラード王国に5億ウェルスの賠償金を
支払った。このお金は、ミルラード側は自国のために3割、戦争で荒廃した
アストール王国の復興のために7割使用した。
そして、国王クラウディウス5世は、ミルラード領のセントヘレイア島に
流され、ミルラードの兵の監視のもと、生活することになった。
そして、国王に、マグニス教信者でクラウディウス5世の子の
ランディネイト7世が即位した。当初この即位には、プロテクス教側は
動揺を隠せなかった。自分たちの信仰が迫害されるのではないかという
不安であった。だが、ランディネイト7世は、マグニス教中心の政策を
推し進める一方、プロテクス教側も尊重する政策で互いに尊重するべきだと
いう理念をもって政策を行ったため、マグニス教とプロテクス教の争いは
戦争が始まる以前よりも少なくなった。そして、国自身もミルラード側の
復興支援によって戦争が始まる以前よりも豊かになった。

そして、ロアが手渡した国書には、両国の友好を喜ぶものとコンラッドを
戦争で殺したことへの哀悼と謝罪の文章が書かれていた。
そして、国王ランディネイト7世がロアに答えた。
「このたびは、国王の誠意ある国書、大変喜ばしく思う。また。返書を
したためよう。ところで、ロアよ。そなたはコンラッドを葬りに行く
そうだな。」
「はい、敵だったとはいえ、まだ子供。自分の手で葬ってやりたいと
思いました。」
「もう、お墓は作ってあるそうだな。」
「はい、ここの土地を買ってもう作ってあります。」
「そうか、では頼んだぞ。」
「はい。」

その2に続く
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