「市民たちの青春」 小中陽太郎 2008年
副題は 「ベトナム戦争を止めようとした男」
小田実(まこと)が75歳で亡くなった半年後に書かれた本。
小田実と共に ベトナム戦争反対運動をした元NHK職員が小中氏。
小中氏は フランス文学専攻で、小田氏はギリシャ古典専攻だった。
小田氏は、暴力が嫌いで、ギリシャ古典に詳しく、実行力があった。
大食漢で、大柄で、海外旅行が好きで、一人で行動する。
かなり女性にモテている。
そりゃ、破天荒で、エネルギッシュで、寛大で、知的で
かつ暴力はふるわないのだから、魅力的だ。
私が10歳のころの、市民参加型のデモの始まりが描かれている。
アメリカの新聞に意見広告を載せるという、斬新な企画の実行も。
兄は徳島で医者になり、妹さんは、司法書士らしい。
父は大阪在住の京都市の職員だった。
晩婚のようだが、妻は在日の女性で、
義父は済州島に帰って亡くなった。娘さんが一人。
小田氏の本には 女性の話は ほとんど出てこないので、
同志であり、決別もした小中氏の話は客観的に小田氏を知ることが出来る。
2人とも、プロテスタントらしい。
もっとも、小中氏はNHKだったから、嫌味なほど、
じゃらじゃらと有名人の名が出てくる。
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