【回答】
港湾の防波堤の場合,
1) 港口部を狭めることにより,港内への津波流入量を減少させ,港内の津波高を低下させる.
2) 港口部で急縮・急拡効果により,津波のエネルギー損失を生じさせる.
3) 湾の固有周期を変化させて,共振による津波高の増幅を防ぐ.
などの効果を有する.
津波来襲の危険性が高い海域で,津波防護を主な目的として建設される防波堤を津波防波堤と言い,日本では岩手県大船渡港,釜石港,久慈港,高知県須崎港などに建設されている.
また,津波防護を対象にせず,波浪を外力として建設されている防波堤でも,津波に対して効果を有することが確認されている.
ただし,1993年の北海道南西沖地震津波以降の津波の教訓により,構造物に頼るハード対策には限界があり,避難計画などのソフト対策を併用することの必要性が認識されている.
【参考ページ】
首藤伸夫他編『津波の事典』(朝倉書店,2011年・縮刷版),p.iii-iv & 139-141
http://www.mlit.go.jp/common/001012142.pdf
http://www.pari.go.jp/search-pdf/no0090.pdf
ログインしてコメントを確認・投稿する