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2015年08月22日08:30

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町の工務店事情



相方の嫁は、町の工務店に勤める建築士です。




元々、デザイン性を追及し建築士事務所に勤めていたが、勤務先の倒産と共に転職した先が、町の工務店と言う建築士事務所とは、異なった会社でした。




大工さん上がりの創業者を会長に、創業50年近い会社です。
建築士事務所がデザイン重視に対して、転職先の工務店は、デザイン度外視の性能重視の会社でした。嫁は、建築関係の法令には強いのですが、施工の作業現場における「おさまり」と言う熟練の技には素人同然でした。だから、指が一本無いような大工さんと現場の「おさまり」を現場管理の中で、肌身に染みる経験が、新鮮に映ったようでした。




それで、町の工務店と言うと大概にして社員何十人の小規模企業で、スペシャリストの分野分担の世界とは異なり、誰でもが何でも出来るジェネラリストの世界で、しかも小規模会社ですから、社長にタメ口をきいても、ご愛敬的家族つきあい的な、雰囲気を残しています。




大企業との比較で言えば、大雑把な社風で風通しが良いのですが、設計依頼書に施主から認め印を頂く事も忘れて、それを良いことに、確認申請後にキャンセルをされたり、日本人の契約意識の低さも、海外との比較で見てきました。




そんな彼女の最近の口癖は、『工務店に一人の来る中高年女性は、危ない』です。




「危ない」とは、「厄介な客」と言う意味です。
それも、独身女性の場合は、特に要注意と言う訳です。
世の中の社会経験が乏しく、お金はあるけれど、ワガママを押し通す強引なところが共通点としてあって、憶測ではあるけれど、結婚生活の輝くところばかりを要求し、夢やぶれ、一人でいる人達でないか?と想像出来てしまうそうです。
新築の家は、その方の将来像が反映します。商談の席で、夢や将来設計と予算との帳尻が合わない時に、そのお施主さんの今までの人生で築かれた価値観が如実に出てくるそうです。




例えば、人件費で何故、大工さんに日給25000円も払うのですか?とそこまで調べてくるのですが、その日給には、労災保険や車の維持費等の必要経費が入っていて、サラリーマンとは違うのですよと説明しても理解出来ない。
二階建ての設計を途中で、三階建てに変更しても、「延べ床面積が1.5倍だから、建築コストも1.5倍で充分でしょ」・・・と、目に見えないコストを理解出来ない。
だから、ハウスメーカーや建築士事務所とケンカして、最終的に、町の工務店にやってくる。
そんなストーリーが共通して浮き上がるそうです。





家造りはし、その社会的背景まで理解し、相手の立場、上記の場合は、工務店の立場にも理解を示す度量がないと、良い家は建てられません。
家作りは、将来設計をチームを組んで一緒に建てると言う心構えが必要で、建てている間の近隣住民への配慮とか、社会的な心配りも家造りに含まれると思いました。
それこそ、多重多層的複眼思考が、出来ない事がトラブルを引き寄せていると感じました。



以上



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