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2015年08月20日09:54

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マンガ 家栽の人、ベルサイユのばら

「家栽の人」は、もう、20年以上前の漫画だ。
歯医者さんの待合室で出逢って以来、徐々に惚れ直している。

主人公は、裁判官の2世で、理想の裁判官として描かれる。
理想的な家庭で、理想的な母であり、妻である女性に育てられている。
長身で、団子鼻、嫌な顔をしたことがない。
いわば、ほほえみの貴公子である。

ちょっと、スーパーマンぶりが、シャーロック ホームズに似ている。
小さい事に気が付いて、調べの行き届かない裏の事実に気が付く。
趣味は、街や野原を歩くことで、花や木を話のタネに、見知らぬ人と話し込む。
花や木の育て方に詳しい。

少年の立場を徹底的に守りながらも、嘘や隠し事は見抜いて指摘する。
それが、裁くという感じでなく、「なぜ?」の追求なので権威を振りかざす感じがない。

(余談ながら、主人公の妻は1回も出てこない。子供は出てくる)
このマンガに出てくる理想の妻は、ほとんど専業主婦である。
共働きの妻は、何かと、子供がグレている。
ここらは、女性の漫画家にマンガで反論して欲しい所である。
そういえば、主人公は、庭仕事はよくするが、家の雑用はしないようである。
子守りはするけど。

それでも、女性は、よく描けていると思う。
女性だけの旅先で、本音を漏らしあう場面がある。

老人問題も、何回か出てくる。
まだまだ、元気なのに引退した失敗や、認知症の義父に悩まされる嫁、
昔風の男で、家事を全くやらない、管理職の気分が捨てられない老人など。

遺産相続では、やはり、子供時代に可愛がられた子供が嫉妬される。
思い出のある家の処分なども、遺産相続の話で扱われる。
アジア系移民の人も、フィリピン花嫁や、出稼ぎ労働者など、扱われ、
少年の凶悪犯の厳罰化、シンナー中毒、少年院でのイジメへの対応など、
難しいテーマも扱って、よく、考えていると思う。

テーマは、犯罪を犯した子供の家庭環境と、裁判所の内幕に分かれる。
だいたい、アルコール依存症の父と、愛想を尽かして逃げ出した母がいる。
裁判所では、人情派の熱心な職員と、出世主義の人間、旧習に染まった人間がいる。

ところどころ、変人が登場する。
世間の常識を破って生きている自由人みたいな人間や、
盆栽と女が好きなジイサンなど。
ドライ極まる出世志望の若い裁判官見習いは、フランス人女性が妻である。
この裁判官は、嫌がっていた人情派の裁判官にだんだん変身する。

型破りの弁護士は、トラックの兄ちゃんだった九州男児。

男の浮気は、軽いものから、破壊的なものまで、沢山出てくる。
少女の売春も、様々なケースが描かれている。

なぜか、女性裁判官や、調査官は、非常な美人に描かれている。
実際にも、そうなのだろうか?
女医さんは、美人が多いから、裁判官も才色兼備なのだろうか?
既婚の女性裁判官は登場しない。いるはずなのにね。

裁判の仕組みや、調停、控訴、審判など、いろいろ勉強出来る。

脚本を書いた人は、法学部出身でもないのに、よく調べたなあと思う。
絵を描いた人も、なかなか、うまいと思う。
ちょっと、涙のシーンが多いかな?とは思った。
それでも、どきっとさせるストーリーが多い。

裁判所での決定で良い結果が出た例が描かれるが、
少年犯罪から立ち直るケースは、少ないと聞いている。

だいたい、私は、好きなマンガの主人公に、すぐ惚れた事は少ない。
当たり前だけど、自分の理想との違いに、すぐ反発したくなる。

「ベルサイユのばら」は、初め、登場人物の顔立ちが皆、同じようなのに困り、
全体にとがり過ぎた鼻や体に「少女漫画はしょうがないなあ」と呆れたが、
徐々に惚れたのは、その、フランス革命史の詳しさと、オスカルの勇敢さだろう。
オスカルの「男らしさ」は、素晴らしいと思う。
ところどころ、女らしさも発揮するけど。(ジェローデルに求婚されるあたり)

池田理代子氏は、ロベスピエールをかなり好意的に描いている。
アントワネットも、かなり好意的に描いている。
理代子氏は、当時、22歳くらいだったから、
かなり、勉強しているなあと、思った。
カミーユ デ ムーランなんて、ツヴァイクのアントワネット伝でも
出てこなかったと思う。

いつか、今までのテレビや映画のオスカルでなく、
もっと、ふわんふわんの金髪で、背が高くて、運動神経抜群の女性が
りりしく演じてくれるのを待っているけど、無理だろうね。

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