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2015年08月19日23:44

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「私たちのハァハァ」

「私たちのハァハァ」、

『自分の事ばかりで情けなくなるよ』『スイートプールサイド』
『ワンダフルワールドエンド』の松居大悟の新作。
『自分の事〜』はクリープパイプのミュージックビデオから発して
いくつかのドラマで構成された映画―だったけれども、
本作は熱烈なクリープパイプファンの女子高生4人組が
東京でのコンサートを見ようと
北九州市から東京まで自転車を走らせる―というロードムービー。
松居が福岡出身ということもあってか9月の全国公開に先んじた
一夜限りの舞台挨拶付き先行一般公開だったようだ。
通学用のママチャリで東京まで行けるはずもなく
岡山からはチャリを捨ててヒッチハイクと相成るのだけれど、
幸福なクリープパイプ追っかけツアーが困難な事態に遭遇して
同じファンでありながら4人に齟齬が生じ、
それぞれの「好き♪」にはそれぞれの体温があって
熱量の差はいかんともし難く
ギクシャクと分裂した4人は果たして
東京にたどり着きコンサートに間に合うのか…という語りである。
例によって松居大悟の人間観察眼が
とほほ…から いたたた…まで様々な生態を拾うので、
笑いながら情けなくなったり
バカで無謀な女子高生に眉を顰めたり
応援したりしてしまうのだ。
松居曰く「自転車があると どこにでも行けそうな気がするじゃないですか」
「で、やってみるとごく近場で挫折しちゃうんだけどね(笑)。
そういうバカな熱量ばかりの男子の愚かしさを
女の子にやらせてみよう…って企図ですね。」とのこと。
とてもとても面白いんだけど
撮影当時は現役女子高生だったというほぼ全員素人の女の子がね
あってなきが如き脚本から自前の台詞を紡ぎ出しているのを聴いていると
何だか全然“女子高生”には聴こえなくて
姿は少女だけど まるで中年のおばさんみたいだなー…と思ってしまう。
女って10代の女子高生だろうが既にして
その内奥に“おばさん”を宿しているんだろうね。
っていうか、何かに夢中になってる“ファンなるもの”は
女子高生もおばさんも同じ存在感なんだろう。
可愛くもあり
鬱陶しくもあり
面倒くさくもあり
愛しくもある…そんな“ファンなるもの”の生態についての映画なのだ。
なんかね…
70年代に大友克洋が登場して体型的に“リアルな日本人”を絵にして
その身も蓋もなさにトホホ…ってなったんだけど、
ここに登場する4人の女子高生を見ていると
それとおんなじトホホ感を味わうですよ。
ああ、恥ずかしいなぁ…
でもこれがファンだよなぁ…
女子高生だよなぁ…みたいな。
9月12日東京公開らしい。
是非ご覧あれ!
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