mixiユーザー(id:6841098)

2015年08月18日00:26

548 view

紙に絵の具で描く

日の丸に、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏図」の波の一部を「T」の字に切り取ったもの。

日の丸は聖火で波の部分は聖火を灯すトーチだという。しかし聖火はオリンピックだけのものなので、聖火をモチーフにしたデザインはパラリンピックでは使えない。

オリンピックのエンブレムとパラリンピックのエンブレムを共通か対になるようなデザインが求められているので、元来の条件は満たしていない。

ただ、このザリコー氏は板切れにペンキで絵を描いたりレタリングをしている。

いまや多くのグラフィックデザイナーがPCで絵を描いている時代にである。ザリコー案も、紙に絵の具で描かれている。日の丸の部分などコンパスで丸を描いて、赤の絵の具で塗っているのだ。赤い色も絵の具を調合したかもしれない。波の部分も北斎の絵を模写したのだろうか。

パソコンなら円を描いてをそこへ色を入れるだけ。北斎の絵をトリミングで切り取って貼り付けて出来上がりである。

「佐野さんは絵が描けるんですか」と漫画家の江川達也氏が言ったが、トートバッグのデザインだって、

近くのスーパーでフランスパンやクロワッサンを買ってデジカメで撮影したのを素材として使えばよかったのである。

鳥と麦も、「鳥の絵ぐらい描けよー。麦の絵ぐらい描けよー」である。

ピエト・モンドリアンというオランダの画家がいる。代表作は「コンポジション」と呼ばれる一連の抽象画作品(画像左)である。

「これが絵かよ。おれでも描けるぜ」と思うかもしれないが、ここに至る前は具象画を描いていた。画像中央の風車のある風景画や画像右の自画像を見れば、モンドリアンにとって風景画や人物がを描くことなんて簡単なことなのである。風景画や人物画を描ける人が、抽象画を描いているのだから価値があるのである。そしてコンポジションはちゃんとキャンバスに絵の具で線を引き色を塗っているのである。

なおモンドリアンのコンポジションはイヴ・サンローランが衣裳に使用したほか、様々なもののデザインに使用されている。

グラフィックデザイナーとかインダストリアルデザインだって、モンドリアンとか青騎士とかバウハウス運動とか、具象から抽象への芸術の歴史の上に成り立っているのだから、デッサンはもとより紙に鉛筆でフリーハンドで円や正方形が書けるかどうかもおぼつかない人がデザイナーをするのは心もとないんじゃないか。


“デザイン盗用被害”の米デザイナー、自主的に制作した東京オリンピックのエンブレムを公開 ネット上ではいまいち評判が良くないもよう
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=3570435
5 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する