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2015年08月15日11:23

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太るだけじゃない、クッシング病

先日、テレビ番組でクッシング病のCAさんの苦悩〜的な内容のものが取り上げられていた。理由もなく病的に太っていくのだが、病気を疑っても医者にも周りにも理解されずに、ただ自己管理ができないだけだと突き放される。そういった中で7年、髪の毛が抜けたり睡眠障害など、いろんな症状が起きる中行き着いた病名がクッシング病だったというもの。ホルモン異常で糖代謝に異常をきたし、どんどん脂肪が蓄積されるものである。
私の肺の腫瘍が発見されるきっかけになったのは、このクッシング症候群だった(症候群とは、原因が別にあるが、症状はクッシング病と同じ)。肺の腫瘍からホルモンが産出され、クッシング病の症状が現れた。当初は足の浮腫みに始まり、続いて心電図異常、血圧上昇、睡眠障害、異常な食欲、皮膚が薄くなり、内出血がたくさん出来る、ニキビ、ヒゲが濃くなる、ムーンフェイス、骨粗鬆症等々。あっと言うまに身体が、見た目も中身も変わっていく。本当に怖い病気。
私自身も、この病名に行き着くまでに、結構時間がかかった。足の浮腫みでまずは更年期を疑って婦人科受診したが、特に異常なし。続いて内科に行くと、浮腫み意外は大きな異常はなかったが、半年前に受けた検診結果からは、明らかに数値が悪くなっていた。心電図も、この時初めて異常と指摘された。
なんだろう?どこが悪いんだろう?と探っているうちに、どんどん症状が進む。でもこれといった病気に行きつかない。先生もいろいろ調べてくださった。そしてやっと、3ケ月ほどして受けた血液検査から目星がついたのが、クッシング病だった。
早速大きな病院に紹介状を書いてもらって、そちらで受診。でもそこでも、すぐにはその病気を受け入れてもらえなかった。珍しい病気だから、そうそうないし、脳の画像からもクッシング病の原因となる脳下垂体の腺腫も認められない、と。どうなんねん、私?って思いながら通っていたら、血液の検査数値がどんどん酷くなっていき、検査入院を勧められた。多分、その頃はいつ感染症に罹って深刻な状況になってもおかしくない状態だった。
クッシングの症状が出ている限りは、他に病巣があるはず、ということで、血液負荷検査やレントゲンなどで全身調べる。すると、これまで何度となく撮ってきた胸部直接撮影(X線)では写っていなかったものが、CTではくっきりと写っている。肺の腫瘍、恐らくこれが病巣だと、やっと原因が特定された。
癌の疑い、と宣告された時は怖かった。でも、手術で腫瘍を取ります、と言われた時には、これでクッシングの症状から解放されるんだと嬉しくなった。正直、手術の恐怖より、今の病状から脱却できる嬉しさの方が上だった。それほど、クッシングという病気は辛いものだった。
あの番組を見ていて少し思ったのは、病状として肥満がクローズアップされていたが、本来はそんなものではない。もっと辛い症状が数多く湧き出てくる。さらに見た目に症状が現れるこの病気は、本当に辛く、しかもホルモンが関係しているので、精神疾患も併発しやすい。でもこのマイナーな病気を世間に知ってもらうには、いいきっかけになったのかも。
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