mixiユーザー(id:14137843)

2015年08月10日17:51

367 view

暑中お見舞い申し上げます  キャンディーズ







暑中お見舞い申し上げます 
キャンディーズ

作詞:喜多條忠/作曲:佐瀬寿一/編曲:馬飼野康二




アイドルの歌、基本的に上手くはない。
でも、スタッフの力で、目覚しいほど光る時がある。

岩崎宏美のように、生でもほぼレコードと同じように
歌える人もいるが、普通はそうではない。

それがアイドルというもの。
誰もがわかっている。

「暑中お見舞い申し上げます」もそうである。

レコードは完璧である。
これ以上どうしようもないほどに。

冒頭の「Woooo Waaaa!!!」

レコードでは凄い、腹式呼吸で腹からランの声が出ている。
しかし、TVの生歌では申し訳ないほど「あっさり」である。

歌いだしがすぐ迫っているので、物理的Waaaaを伸ばせない
というのもあるが、それだけではない。

そう、レコードと同じように、普通、歌えないのだ。
エコーだけではなく、気力気迫を、保つ事ができないのだ。

これは、キャンディーズだけではなく、
アイドル全員そうなのだ。

それは周囲に知らない人がいる、
気恥ずかしさや体調にもよる。
踊りながら歌うなんて、普通出来ないのだし。

しかし、ピンクの場合、ケイの体調次第で
レコードセッションより、生の方がぐんと良くなる日がある。

不思議な事だ。
本当に不思議な事と思う。

「暑中お見舞い申し上げます」という
奇抜なタイトルと共に、完全すぎる伴奏が歌に華をそえる。

蘭が中盤で「ウウッウーン」と、赤ちゃんみたいに
媚びるところは、もう年齢的にGIRIGIRIである。
しかし、解散を発表する予定だったので、
「これが最後よ、皆様」という決心が感じられる。

蘭の感情の入れ方が、あまりに完璧すぎて、
全く反論ができない。

そして、これを初めて聴いたのが、TVであった。
その時、何かのCMの歌か?と思ったのだ。

歌の中身と全く関係のない、「挨拶」が
冒頭にあったからだ。

しかし考えて見たら、遠方にいる彼氏に対し
「暑中お見舞い」を言っているのだから、話は成立する。

そして季節の便りというのは、深い愛を感じる。

そしてメロディーもキャッチーではあるが、
深い感動を与えるというものでもなく、
カールみたいにフワフワした感じだった。

だからシングルカットだとは思えなかったのだ。

大人になってから分かってきた事がある。
中途半端感 60%くらいがヒットの秘訣なんだと。

さあ、どうだ!みたいな楽曲って、あんまし売れない。

アイドルというのは、「不器用」だ。
外見は美しいのが原則だが、不器用でないと売れない。

皆が共感できるのは、原則 不器用が豹変する瞬間を
素敵と思うからである。

不器用な人達が、真面目に練習をして、完成していく姿。
その姿がたまらなく「愛おしい」と思うのだ。

完璧すぎるものに、何故か人は興味を持たない。
どこか心配で、どこか応援したくなる人こそが人気出る。

中山美穂が、なかなか1位を取れなかったとき、
俺はそのような事に、気がついてしまったのだ。

クールな美人より、クールな美人が「CATCH ME」で
汗だくになる姿で、1位を取った事で。

小泉が、馬鹿みたいなタイトル「渚のはいから」で
1位を取った時のからくりもそうだ。

必死さ。一生懸命。
これが人に愛される、全ての基本である。
アイドルが俺に教えたことは、本当に大きかった。
ゲイの人生に、足跡を付けて行ったアイドル達。
俺はきっと アイドルがいなければ今日ここにはいない。
4 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する