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2015年07月21日23:27

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2015東北の旅-4−即身仏の海向寺

酒田は観光客用に無料のレンタサイクルがあるんですよね。
主要観光地が駅からちょっと離れていて、坂道もそんなに多くない酒田にはレンタサイクルはとても嬉しいのですが、当日中(おおむね17:00)までに返却必須とかで。14:00近くになってしまったので・・・。返却を気にしながらの散策も落ち着かないので、徒歩で。
まあ、だいたい、私の場合、町歩きは「徒歩」なんですけどね。

まずは一番気になっていた「海向寺」へ。
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東北地方に16体、山形県内に8体、庄内地方に6体あるうちの忠海上人、円明海上人の即身仏(ミイラ仏)が2体あるお寺です。
この即身仏…てのがすごく興味あって。
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日和山公園に接した小高い丘の上にある、こじんまりとしたお寺です。まずは参拝。
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申し込むと、住職の奥様(?)がすごく丁寧に解説案内をしてくださいます。

一寺に2体の即身仏が祀られているのは全国でもここだけってことなんですが、即身仏そのものはガラスケースに入っているものの、かなり間近から対面することができます。
湯殿山の信仰からきていて、まず米、麦などの穀類を絶ち、木の実を首相食べるだけという、殆んど絶食に近い状態で水分も制限していくそうです。こんなのを1000日続けて… 殆んど骨と皮状態になってから、たて穴のなかに石室を築いて埋められるんですね。で、鐘を鳴らして読経を続け…。空気穴兼として竹筒が刺されている穴から、鐘の音が聞こえなくなってから3年後に掘り起こすと、即身仏になってる…とのこと。
途中で腐ってしまったりてのもあって、それは即身仏として入定できなかった=すなわち失敗…ということらしいです。

海向寺の即身仏2体は体に柿渋を塗られ、ニカワで固められていて、黒々としているのですが、それでもかなりリアルにミイラ。
エジプトなんかの王様方は亡くなってから内蔵(肝臓、胃腸、肺)とかを取り出され、カノポスに保管され、脳は鼻水の固まったものとされていたらしいので、取り除かれ、心臓だけ残して防腐処理されて…と亡くなってからの処理なのですが、この即身仏ってのは生きながらにして…てのがやっぱりスゴイ。内蔵も取り出されることなくミイラ化しているみたいです。

結局、入定するまで7年位かかるらしい。
その間、何を思い、何を願っていたんでしょう。

まあ、死にざまも凄ければ、生き様も凄かった人のようです。
どちらの上人様だか忘れてしまいましたが、やたらモテて。。。
上人様を慕って女人禁制の湯殿山に入ってくる女子が何人か居たそうで。で、上人様は自分の男根を切り落として「これをワシだと思え」と言ったとか・・・。

人望もスゴく厚かった人のようですね。

「死」とか「死に様」を深く考える突き詰めるということは、そのまま「生きること」「生きざま」を問うことになります。
「死」というモノが何となく軽く扱われるようになってしまっている、現代。
それはやっぱり「生き方」も軽くなってしまっている。。。ということなんですよね。
「世の中や家族に迷惑をかけるようになったら」とか「生産性が無くなって、社会のお荷物になったら」・・・生きる価値がないとか・・・。そうまでして生き永らえる事もないとか・・・。
あの、一休禅師でさえ死ぬ間際に「死にとうない」と言ったというのに。

酒田の街を望む
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南無大師遍照金剛
合掌

つづく

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