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2015年07月17日11:54

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レティーフ・グーセン

 昨日から全英オープンが、ゴルフの聖地セントアンドリュースオールドコースで開幕しました。

 セントアンドリュースはゴルフ発祥の地として知られていますが、5つコースの内のニューコースが120年前に造られたもので、オールドコースに至ってはすでに16世紀にはゴルフが行われたという文献が残っており、一説には13世紀から羊飼い達がゴルフのようなことをやっていたとも言われている伝説のコースです。

 日本勢は今一つでしたが、初日久々に上位に名を連ねた選手に、南アフリカのレティーフ・グーセンがいます。

 グーセンは、2001年の全米オープンの覇者ですが、この試合の最終ホールでわずか50センチのパットを外して優勝を逃し、プレーオフをすることになったことは非常に有名です。

 その程度の話であれば、ウィキペディアでも調べることができますが、このことについては僕の知識の中から是非披露したいお話があります。

 それは、まずこの18番ホールのグリーンに来た時、グーセンは2パットで優勝という状態で、普通であればほぼ優勝で間違いありませんでした。

 しかし、ファーストパットで50センチに付けたものの、決めれば優勝のそのパットを重圧から外してしまったのです。

 しかもパットはカップの反対側まで転がって結構な距離を残し、3パット目も実は50センチ以上くらい残っていたのです。

 テレビで解説していた青木功さんは、「下手すると4パットになるよ。カーッとしてるから…」と言いましたが、キャディに落ち着くようにとたしなめられ、外したらプレーオフにすら残れないその3パット目を今度は冷静に決めてプレーオフに持ち込んだのでした。

 その後のインタビューで「最終ホールの3パットの中で1番難しかったのは何パット目か?」と聞かれたグーセンは、

「最後のパットかな。何事も前向きに考えたい…」

と答え、50センチを外した2パット目の後悔には触れず、むしろ3パット目が入ったことでプレーオフに持ち込んだことを良しとしました。

 僕はこの言葉を今でも時々思い出します。

 大を為す人というのは、どんな時もとても前向きなものです。

 普通の人間であれば、メジャー初制覇のかかったあのパットが入っていたらと考えてしまうところだと思いますが、グーセンはそうではなく、明日のプレーオフに向けての前向きな気持ちを選んだのでした。

 実際次の日に行われたマーク・ブルックスとのプレーオフを制し、グーセンはメジャーを初制覇しました。

 優勝のインタビューで、まだアメリカではあまり名を知られていなかったグーセンは、

「“goose”に“n”でグーセンと覚えて下さい…」

 と話し、観客をドッと沸かせました。

 実は“goose”には、マザーグースなど「ガチョウ」の意味で知られていますが、俗語では「まぬけ」のようなことでもあり、昨日の3パットのことを自ら笑い草にしたのでした。

 そのレティーフ・グーセンも今年46歳になり、最近はあまり見かけませんでしたが、久しぶりに全英の上位に顔を出して来ました。

 僕も久しぶりに彼を応援してみたいと思います。
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