「海街diary」を観ました

「是枝　裕和監督　　　　　東宝　ギャガ


漫画「海街diary」が傑作だったので観に行きました。漫画の方の感想はかなり長くなるので省略致しますが、かなり面白いです。



鎌倉に暮らす３姉妹、長女で看護師のしっかり者の幸（さち：綾瀬はるか）、次女で信金に勤めるがやや酒癖の悪い佳乃（よしの：長澤まさみ）、三女でスポーツ店に勤めるちょっとした変わり者の千佳（ちか：夏帆）は幼い頃に離婚して家を出た父親が亡くなった事を突然知らされて、葬儀のある山形に向かう事になります。そこには異母姉妹の浅野すず（すず：広瀬すず）が居て・・・というのが冒頭です。



原作を知らなくとも楽しめる作品です。ある意味何も起こらないけど、確実に時間が過ぎてゆく。季節を感じさせることのできる映画、結構豪華ですよね。何より非常に美男美女が揃った作品、それだけでも凄い事だと思います。もちろんそれだけじゃダメなんでしょうけれど。あ、個人的にはお母さん役に大竹しのぶはちょっとクドイ気がします・・・もう少し意味が強すぎない方でも良かったような。


ただ、原作を知っているとより楽しめる作品だと思います。とても漫画表現の良さを生かしている作品なので映画的にどうかな？とも思いましたが、映画的に綺麗に仕上がっていると思います。というかこういう風にするしか無かったかも。


四姉妹というと個人的には谷崎潤一郎の「細雪」ですし、当然意識して書かれていると思いますが、四姉妹の二者関係が非常に面白く描けていると思います。


登場人物に会話が無く、佇んでいる時の構図というか絵がとても綺麗です。印象的な場面が多かったです。それと音楽が素晴らしかった、決して邪魔しない配慮が行き届いていて、心地よく耳に残り、背景の音を邪魔しないのも良かったです。


鎌倉が好きな方に、家族ものが好きな方にオススメ致します。


アテンション・プリーズ！

ここからちょっとネタバレに繋がる話しも書きますが、基本的には大きなネタバレはしません。でも原作を読んでいる方に向けて書きます、自分は原作が好きなもので。






うん、きっと有名な女優さんばかりなんでしょう、綺麗ですね。綾瀬はるかさんはあまり動いている所を見たことなかったんですが、肩幅の広さも特徴的ですし、良かった。目の表情も感じられましたし、ある意味お母さん、娘、女、とかなり立場が変わる役柄で難しいと思いましたが、説得力あると思います。


長澤まさみさん、映画「モテキ」で見ましたがやはり綺麗ですね！整った顔立ち、スタイルも良くて画面に映えます。ちょっとけげんな表情の眉の顰め方が良かったです。１番演じるキャラクターに合っていると思いますね。ある意味自由奔放な元気さも向いていると思います。


意外だったのは三女役が夏帆さんな事。見るまでは三女役が出番は少なくとも最も美味しいところを持って行けますし、どんな人が演じても説得力を出せると思っていたのですが、ここにも綺麗な女優さんをキャスティングしていたのがどういう目論見なのか？興味ありました。で、結論から言うと非常に味のある方だと感じました。自然さを前面に出すキャラクターですし、服装も化粧もそっけない感じでありながら、大事な場面で大事な間を作ったりする立ち回りなんですが、良かったです。夏帆さんも正直動いているところは観たことが無いんですが、良かったですね。割と何かを拾ってしまったりする事で「空気を読めない」という事が分かる演出は特に良かったと感じました。


で、四女すずさん。本当は漫画でも主役ですし、難しいキャラクター。確かに光る何かがあるとは思います。でも１番違和感を感じたのもこのすずさんでした。ネタバレに繋がってしまうのでやめますが、とある服装をしない、のがすずの良さなんですけれど、映画的には服装も映える方が大事ですしね。でもこの改変はちょっと残念でした。


最も、漫画が好きなんで、余計に気になったのは髪型です。


シャチ姉さんは看護師でしっかり者で、小言が多いキャラクター、綾瀬はるかさんがどういう人かワカラナイし、美人だとも思うけど、ここは思い切ってショートヘアーにしてみて欲しかった。その方がぐっと説得力を増したと思います。同じように夏帆さんにもアフロで臨んでほしかった。ある意味ステレオタイプだけど、漫画的にはその情報も大事だと思うんですよね。


キャスティングがすべての邦画の中で、これだけ名前のある方をそろえて、１年を通して描いた作品ですから豪華です。でもそれだけではなく、もう少し何かが欲しかったです、私は原作に思い入れがあるのでそう感じるだけかも知れませんけれど。


あと、佳乃の上司を演じている加瀬さんが素晴らしい存在感でした。正直キャラクターから考えると全然似てない。にもかかわらず説得力ではこの映画の中の誰よりも納得できる。出番もセリフも少ないけれど、そのどれもに重みを感じさせて良かったです。


４人姉妹が２人組になった時の関係性を感じさせる映画になっています。