おおむね力の差があったとしても

　直接的にはセットプレーへの対応という弱点を突かれたというか、というより米国が日本戦のためにあたためてきた（セットプレーの）オプションが見事だったというべきか。最強の最強たるゆえんはそういうディテールを突き詰めていくところにあって、日本はその部分で負けていたというところですか。

なでしこ連覇ならず、米国がV
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3501548

　つらつらと前半の録画を眺めているところ（※１）、そもそも論でいうと澤選手を頭から使わなかったのが結果論的には采配ミスなのかなぁと。ただ（澤を外した）先発メンバーで決勝Tを勝ちあがっているので実際には難しいところで、この点で監督を責める気にはなれませんかね。おそらく佐々木さんも使うかどうかさんざん悩んだのだろうし（※２）。

※１　一応補足しておくと、前半１６分で４失点しているのです。
※２　前半のうちに交代投入したところからもそう思います。
　　　　ただ、これも結果論でいえば遅かった。

　まぁ、この試合でいえば米国はやることなすことすべてうまくいってたわけで、４失点を細かく見れば全部決まったのが不思議なほどのゴールラッシュ。その意味では日本にとっては悪夢の一言で片付けてもいいぐらいの展開でしたかね。普通は２点ぐらいしか決まってなかったと思う（※３）し、２-１で折り返せばまだまだ勝負になっていたところなんじゃないでしょうか。

※３　４点目のロングシュートなんかは今大会のベストゴールだと思います。
　　　普通はアレは入らない、というかロイドってのはスゲー選手ですよな。

　今大会の日本女子代表は戦前からいろんな面で連覇を不安視されてはいましたが、それでもアメリカドイツフランスブラジルあたりを除けばそう遅れは取らないだろうというチームで、その意味では準優勝は順当な結果といいますか、だいたい４年前も五輪のときもこんな感じだったような気がするのでありますな。今大会で毎試合苦戦続きだったのは相手がちゃんと日本対策をしてくるようになったからで、それをいちばん上手にこなしたのがやはりアメリカだった、というところ。

　とまぁ、大会の総括はそれでいいとして、あとは今後のことというか、ようは全世界的にまだ半分アマチュアスポーツである女子サッカーをどうしていくのかって話になるわけです。
　もちろん絶対的にはプロの整備された男子（※４）ほどではないにせよ、なでしこは女子代表としては世界では十分上位の環境でサッカーができているわけで、そのうえでこれ以上の投資をすべきなのか、それともほかの五輪スポーツ同様、ほどほどの投資でほどほどの強豪としてやっていくのか。協会もそうですが、まずはファンと国民がどうすべきかって話ですやね。「なでしこにもっといい環境を」とほざく前にまずなでしこリーグ（※５）を観にいけば、ってことです。

※４　相対的にみれば、男子代表だって世界ではとてもとてもいい環境でプレーできてるとは言いがたいわけです。というより、他の競技と比較するのがナンセンスというべきか。
※５　毎度まいど男子代表とリンクされて叩かれるJリーグですが、そのＪができる前の代表の惨状とかもう知らない人のほうが多いんですよね。普通にタイとか香港に負けてた頃の。

　実際のところ、プロリーグを応援して盛り上げていくというのはまったく全然簡単なことじゃない（※６）ので、適当なこと言うぐらいなら今までどおり五輪とＷ杯だけ応援してあとは静かにしてたほうがいいと思うわけです。少なくともＪのサポ１０年やった身で言わせてもらうなら、アレはわりとマゾヒスティックな趣味だと思いますよん。もちろん、だからこそ楽しいわけですが。　

※６　いちいち実例あげるまでもありませんよね？

･･･ちょっとキツイいいかたしてしまったような気もしますが、実感としてはなでしこの活躍でなでしこリーグのほうも盛り上がればいいと思いますけどね。まずは一度観戦してみよう、って人が増えればホントそれに越したことはないです。