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2015年07月02日19:51

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ジレンマ

暇にまかせて、新しい読み物を発信。
この先、どうなるか?は、全く不明(笑)



               ジレンマ
                             Zefaro(rejiy&gily)
              その1
新宿駅を出ると馴染みの喫茶店へ向かう。
待ち合わせの彼女恋華は、まだ来ていない、どうして女と言う奴は時間にルーズなのだ?
珈琲を注文して新聞を読みながら待つ。
8分20秒遅れて恋華が来た。
「おまたせ〜」
「遅い」
「だって電車の時間が」
「まぁ、いいや」
「ところで、こないだの件、OKか?」
「勿論、貴方となら」
「じゃ、なんで直ぐに返事をしないでじらす」
「あら、女のたしなみよ」
「たしなみねぇ〜」
「で、式は何時が良い?」
「やはり6月ね、ジェーンブライドは、憧れだもの」
「俺にはよく解らん」
恋華と別れて新居を探す、少し遠くなるが良い物件が、あった。
恋華と待ち合わせをして物件を見る、恋華も気に入った様なので早速契約して恋華と家具を探す。
式場の予約も入れて出席者の選択に入る。
予算に限りがあるから、そう多くは呼べない。
恋華の両親と俺の両親及び友達等を含め総勢60人
あっと言う間に当日を迎えた。
式は滞り無く終わった。
両親の笑顔に見送られ新婚旅行に行った。
絵に書いた様な幸せが続く。
ある日、ベランダでタバコをふかしているとモヤモヤとした蜃気楼の様なものが見えた。
暫く眺めていると、そのモヤモヤとしたものから、いきなり人が現れた。
空中からストンと地上に降りて何処かに消えた。
自分の目を疑った、ありえない。
翌日もあのモヤモヤよしたものは消えない。
朝の散歩がてら近くに行ってみる、下から見るとよく解らない。
誰か来たので、急いで物陰に隠れる、すると黒装束の男が、ひょいとジャンプして消えた。
何だか解らない、真下でジャンプしてみたが何も起こらない。
恋華にその事を話してみる。
「貴方どうかしていたんじゃないの?」
「人間がそんなに空中から現れたり消えたりするぅ?」
「俺の気は確かだ、見間違いなんかじゃ無い」
「まぁ、良いけど、お味噌汁が冷めるわよ」
朝食を食べ終えてベランダに出てみる、例のモヤモヤは消えている。
タバコを2本吸って眺めていても現れない。
恋華が呼んでいる。
「せっかくの日曜日だからアウトレットでも行ってみない?」
「そうだな」
買い物をしていても朝の男の事が頭から離れない。
この時点では角田洋二自身が、あの男の様に消えてしまうなど思いもしない。
買い物から帰ると食事を待つ間ベランダでタバコの火を揺らしていた。
薄明かりの中、目をこらすと例のモヤモヤが見えた。
黒い物体がヒラリと降りた。
急いでマンションの階段を駆け下り探す、が、何処にも姿は見えない。
部屋に戻ると恋華が呼んでいた。
食事をしながらも頭から離れない。
「ねぇ、どうしたの?」
「また例の男が空中からヒラリと降りて来た」
「いやねぇ、もう考えるのは止めたらぁ」
「ワインをもう少し飲まない?」
「いや、いい」
「お風呂に入るよ」
風呂の中で何としても突き止めてみたいと思う。
シャンプーをしていると目の中に入って急いで目を洗う。
「貴方入って良い」
返事をする前にドアが開いて恋華が入って来る。
最近艶がまして来た様で抱きしめるとキスの嵐が吹く。
ベッドの上で答えを探す様に攻める、快楽の波に翻弄されるかの様にピークを迎える。
そのまま深い眠りにつく。
朝、5時過ぎ、目を覚ますと恋華を起こさない様にベッドから出て外に出てモヤモヤを探す。
足音が聞こえる、素早く身を隠し待つ、すると黒装束の男が現れジャンプして消えた。
急いて真下に行きジャンプをする。
身体が浮き上がり円形の部屋に居た。
部屋が動き出して倒れる。
動こうにも動けない。
やっと動ける様になって部屋を探る。
するとドアが突然開いた。
おそろおそろ部屋を出る、何処から来たのか突然両腕を捕まれ椅子に座らせられた。
 
             その2

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