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2015年06月19日21:45

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ホモルーデンス、遊ぶ人間

対話的日記☆印が私。梁塵秘抄に「遊びせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけむ、遊ぶ子供の声聞けば、我が身さえこそゆるがるれ」の歌も遊びと人間の関係を示している。年老いた古代の社会(歌っている人物)が終わり、新しい中世(子どもたちの時代)が始まろうとしているその中間の歌だと言うことを秦恒平氏が言っていた。編集されていた後白河法皇はどのようにこの歌を読まれていたのだろうか。

仕事をする目的は何だろう。生活費を確保するため、自分の成長のためなど人によってさまざまだろう。中には週末に趣味を楽しむために稼いでいる人もいるに違いない。豊かな現代には、働く意味や目的は一様には決められない。

☆アリストテレスは生きる目的は幸福だという。幸福は目的であって手段ではないから、幸福になったら何かをしようということはない。幸福をさらに充実し広げてゆくことはあるだろうが。そう考えると、この前ふりの言葉は考えているようで何も考えていない気がする。

そんな中、「社会人になったら趣味は持たないようにする」という仕事論がネット上で物議を醸している。きっかけは、とあるツイッターユーザーが6月17日に投稿した内容だ。給料は多くなくていいから「残業せずにプライベートを充実させたい。趣味に没頭したい」という若者の言葉に、上司が「ぞっとするわ」と発言したのだという。
「趣味をなくしてから仕事が上手くいった」にドン引き
しかし、趣味で音楽活動を行っているこのユーザーは、逆に上司の言葉に「ぞっとした」という。このユーザーはその職場で働き始めたころ、「ためになるから」と言われて社長オススメの講演を聞きに行ったら、テーマが「大人になったらまず趣味をなくそう」というものだったと明かした。

☆西洋の一流の人たちは趣味を持っている芸術を愛している。先日のNHKの日曜美術館でピーター・ドラッカーが日本美術の愛好家で200点ものすごい重文クラスの名品を持っているのに驚かされた。しかも、的確な作品への批評の言葉を残し、日本美術史まで講義していたとは、これまでのドラッカーの紹介者が語ったことのないことを教えられた。紹介者がドラッカーの教養を理解できなかったのではなかろうか。金儲けしか分からなかった可能性があるだろう。

「趣味をなくしてから仕事が上手くいったんだと。いい大人達がうんうん頷きながらこぞってメモを取っている姿は異様だった」

☆仕事の内容が問題だね。昔ながらの職人さんなら仕事熱心で、そこに生きがいを感じるのも納得がゆく。ここで語られている趣味が何であるか気になるところだ。まさか、飲む打つ買うではないだろうな、それなら捨てても惜しくないだろう。

この2つの投稿がツイッターで話題となり、19日までに計3万回以上リツイートされた。反応はやはり「趣味を捨てて仕事に邁進するべき」という価値観に反発するものが多い。

☆仕事の定義、趣味の定義なしに議論するのは不毛だ。

「何のために働いてんだろね? 自分の生活(趣味だったり、大切な人と一緒にいる時間だったり)を維持するためだよね」

☆生きがいが得られるような仕事が現代どのくらいあるのだろう。またそんな仕事に従事できるだろうか。

「その上司は仕事しか楽しいと感じられることがないんでしょうかね。私にはその方がぞっとしますよ。なんてつまらない人生なんだろうって…」

☆仕事が楽しいと感じられたら素晴らしい、それをぞっとする必要はないだろう。しかし、その仕事が世の中のためになっていないようなものなら、残念なことだ。

仮にたくさん働いて給料がアップしたとしても、「それを使う時間がなければ意味がない」という指摘も。無趣味のまま定年を迎え、退職後は抜け殻のようになった父親を見て「ああなるのは恐ろしい」という人もいた。

☆そんな人もいるだろう。アリストテレスは遊びは仕事の休憩のためにあるものだ。遊びは仕事にはならない。遊びを仕事にすれば、そのための休憩としての遊びが必要になる。プラトンは芸術を否定したが、アリストテレスは芸術を肯定した。日常の疲れをや悩みを芸術のカタルシス作用によって浄化し、生きることが刷新されるというのだ。定年後に抜け殻のようになる人は初めから抜け殻だったのではないか。ホロスコートから生き延びて、神が救ってくれなかったと、神への希望を失った人たちはしゃにむに心の空白を埋めるために働いたと言う。日本の戦後の猛烈な勤労にも似たところがあるように思われる。

イケハヤ氏やえふしん氏は「趣味が仕事」と表明

投稿者の勤務先では、仕事ができることよりも「奴隷」であることが評価されるといい、上司も全員無趣味。さらにみなが独身だったり、離婚歴や家庭崩壊に必ず当てはまるという。普通の若者なら勘弁願いたい職場だろう。

☆どの程度の会社なのだろう。何か限りなくブラックに近いような気がするが。

「大人になったら趣味をなくす」問題については、著名人もコメントしている。デジタルハリウッド大学大学院の三淵啓自教授はフェイスブック上で、会社に一生を捧げろという考え方は「もうそれは過去のこと」と指摘し、それを求める会社を批判している。

☆終身雇用が保障されていたから働いていた面もあるだろうが。それなりの生き甲斐が得られるところなら一生懸命やるだろう。

「会社も一生、社員を支え(ら)れないのにすべてをささげろって、あまりにも利己的に感じてしまう」

☆おっしゃる通り、使い捨てするような会社に自分のすべてをささげることはできないだろう。

高度経済成長期を終えて法人を中心とした利益追求のシステムが機能不全に陥ったいま、考え方や趣味を共有できるコミュニティーが重要になるとし「趣味や自由な時間は多くの人とのコミュニケーションや自己の充実などに使うのが、いいように思う」と説いている。

☆今までのやり方ではもうどうにもならなくなっている。時代は後に戻れない。その状況に最適なものを可能な限り選ぶ以外にないだろう。この趣味や教養と言うのは文科省があっさり捨ててしまった一般教養の科目の世界ではないか。定年後のことはなかなか考えられないし考えたくない。しかし、今までの生き方を考え直し、検討する人生を語り合う場が欲しいと思う。しかし、愚痴を言い合う飲み会はいやである。

一方、高知県在住のプロブロガーとして知られるイケダハヤト氏は「面白いなぁ。ぼくは趣味が仕事になっています」とツイート。想創社代表取締役社長の「えふしん」こと藤川真一氏も「趣味が仕事になってて趣味ってなんですか?という質問に答えられない問題」と投稿していた。

☆イチローは野球が趣味ではないだろう。彼の趣味は何だろう。宮本武蔵は素晴らしい絵を描いたが趣味なんて言うレベルではない。武蔵の仕事は武術でありそれを教える指南役であろう。では絵を描くことは何か。修行の一つのように思われた。絵を描くこと眺めることで彼は血なまぐさい日常から逃れカタルシスを得ていたんではないか。

ツイッターでは「趣味が高じてそれが仕事になった人は強い」という投稿もあったが、好きを仕事にすると今度は妥協できなくて辛い、と感じる人もいるだろう。その辺りは議論が分かれそうなところだ。

☆益田鈍翁、益田孝、三井財閥の大番頭だ。彼は趣味人として大変有名な人だ。経済人ならこの人ぐらいの人物になるように努力したらどうだろうか。

http://mitsuipr.com/history/column/14/index.html

http://www.mitsuipr.com/history/column/15/

■「大人になったらまず趣味をなくそう」 謎の仕事論にネット震撼「一体なんのために仕事しているんだ!?」
(キャリコネ - 06月19日 19:00)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=3475510
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