例えば、自由意志というものを哲学的に説明してみてください。
「そうだな、自由意志って人生みたいなものかな。
なければ生きられないけど、あると生きづらい。
でも人間て根本的には自由なんだよ」
よし、寝ろ! 寝てしまえ!
お前は哲学をポエムの劣化コピーみたいに思ってるだろ!!
哲学的に「自由意志」というものを追求すると、次のようになります。
例えばね。机の上にまったく同じ2つコップがあり、水がてきとーに入ってます。
(「同じコップ」がなにかというのも哲学的な問題の一つですがここでは無視します)
ここでは、水が多い方と少ない方、という表現にしましょう。
どちらかを自由意志で選んでください。
「じゃあこっち」
なんでそっちを選んだんですか?
「なんとなく」
なんとなくなら、「自由意志」じゃないですね。
「意志」で決めてください。
「じゃあこっち」
なんでそれを選んだんですか?
「のど乾いてるから多い方」
それはたんなる生理的欲求ですよね。
やりなおし。
「じゃこっち」
なんでそれを選んだんですか?
「近いから」
いやそれただ単に楽したいだけでしょう。
楽っていうのは、肉体的な消費を低減することでありつまりは生物学的な
「ああもう!わかったよ!でなんなの!」
哲学的に言うと、自由意志というものは無いのではないか、という話です。
どんな理屈をつけても根拠がある以上なんらかの利益関係があり、
利益関係がある以上自由意志ではない。
かといって直感で(医学の進歩で直感の解析も進んでいますが、ここでは旧来の意味)選べばそれも当然意志ではない。
つまり、我々が普段声高に主張する自由や正義やなんだかんだは、
なんの理由もない直感かなんらかの利益関係に直結するものでしかないということです。
「やっぱ宗教じゃん。諸行無常ってやつでしょ」
ちょっと違うんですよ。
哲学は論理学です。
例えば、アベノミクスは成功していますか?という問いに、
宗教では答えを出せないんですよ。
哲学では、「わかりません!」と明確な答えを出すことができます。
「わからねえのかよ!!意味ねえ!!」
待ってください。違うんです。
アベノミクスが成功しているという証拠を、出すとするじゃないですか。
「成功してないけどな」
(無視)その証拠が絶対に正しいという証明をしてください。
「成功してないのは明白。はい論破」
じゃあ、成功してないという証拠を出してください。
「見ればわかるだろ」
出してください。
「じゃあ、あれと、これと、それ。」
あれとこれとそれにはA、B、Cという反論が出されています。
「ええっでもAってαという矛盾があるよね?」
αという矛盾については「い」という補完が出されています。
「「い」は「甲」の部分が事実に反します!」
いえ、甲は事実には反しません。「子」という統計資料があります。
「はぁ?「子」じゃなくて「牛」の統計資料を見るべきだろ!
そもそそも「子」の統計資料は恣意的(間違ってる方の意味)だ!」
(略)
結果的に、「アベノミクスが成功しているかどうか」という表題は、永遠に「わからない」のです。
この「わからない」が、議論をしない状態での「わからない」とはまた一味違うことが理解いただけるでしょうか。
これを指して、「無知の知」といいます。
無知の知は単に「お利口さんの人は議論ばっかだねえ(嫌味)」というのとは違うということです。
アベノミクスに関しては、アベノミクスが過去の物事となった頃に、
経済学や歴史学で暫定的な評価が与えられるだけで、
それさえも再発見とか再評価という形で揺らぐわけですし、
「みんなが失敗というアベノミクスを評価する俺かっこいい」
みたいな人にとってはアベノミクスが成功であるというのが真実なのです。
そしてその真実もまた証明できません。
にもかかわらず。我々は論争をしなければならない。
例えば原発問題も似たようなもので、最終的には好みの問題と言い切っていい。
すべてのリスクとリターンを並べることはできないし、
そのリスクとリターンに点数をつけることもまたできないからです。
最終的に多数決で決めるにしても、
本来であれば可能な限りのフラットな評価を全員に叩き込んだ上で
価値を問わなければ意味がない。
ところが、私たちにはまずさきに自分の感情があり、
自分が思った方に理屈をつけて理論武装するわけです。
その理論武装のせいで相手の出す「証拠」に価値を感じることができなかったりします。
その武装解除をするのに哲学は有効です。
哲学が、論争のうち不毛な部分をおおよそごっそりと自己削除してくれます。
結論として、哲学とは論理学です。
しかも、その刃は内向きで、学ぶと最初に論破されるのは自分です。
■ネット炎上対策に、アリストテレス? 明日から使える、ギリシャ哲学の古典が説く「最終防衛ライン」
(ウィズニュース - 06月08日 07:00)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=220&from=diary&id=3455283
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