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2015年06月07日04:35

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【喘息と体罰の少年時代】/謎の心臓発作

【喘息と体罰の少年時代】/謎の心臓発作


第四部第一章第十一節 謎の心臓発作 その一

 岡本町での一人暮らしが始まってしばらくしたある夜、僕は突然心臓が痛くなって飛び起きました。キューっと痛くて、手で押さえ込むような胸をかきむしるような激しい痛みでした。
・・・・・これが心筋梗塞なのだろうか?
痛みに耐えてどうにか起きて、救急車を呼ぼうと思いました。その前に水を一口、と思い台所へ。岡本町の貸家の間取りは、6畳寝室と4畳半書斎とが隣り合わせで、二つの部屋を行き来するには、廊下兼台所を経由する構造でした。なので、書斎の電話に行き着く前に台所で水を一口飲んだのです。一口では収まらず、ゴクゴクをコップ一杯の水を一気飲みしました。すると、どうしたことか、あんなに激しかった心臓の痛みが嘘のように消えていたのです。
・・・・・一体何だったのだろう?
その夜は、何事もなかったかのように布団に戻り、朝までぐっすり眠りました。
 数日後に病院に行き、事情を話すと、心電図の検査をしてもらいました。しかし、結果は異常無し。釈然としないまま帰宅しましたが、1ヶ月後の夜にまた心臓の激痛で目覚めました。その時も、救急車を呼ぼうとして、その前に水を飲んだら、心臓の激痛が嘘のように消え去っていました。そんな風にして、心臓の激痛で夜中に目覚め、水を飲んで痛みが消えるということを何度か繰り返しました。短い時には1ヶ月間隔で、長い時には半年感覚で、心臓の激痛が襲ってきました。しかし、その度に水を飲めば痛みが消えるので、僕はいつしか慣れてしまいました。

第四部第二章第五節 謎の心臓発作 その二

 再婚した後も、原因不明の心臓痛は、襲ってきました。しかし、水を飲めば痛みが消えるので、僕は慣れてしまい、当初は「激痛」と感じていた痛みがそれほどの痛みではないことに気づきました。そういうわけで、当初は、「早く早く!」と急いで台所に行って水を飲んでいた習慣が、段々落ち着いた動作に変わり、痛みで目覚めてから五分程度で水を飲めばそれでいいじゃないかという余裕の気持ちに変わりました。また、当初は夜中に心臓痛で目覚めていましたが、この頃になると昼間も心臓の痛みが襲ってくるようになりました。しかし、頻度としては相変わらず一ヶ月から半年という間隔だったのです。そして不思議なことに気がつきました。心臓に痛みを感じてから水を飲むまでの時間が長くな ったことによって、痛みが変化することに気がつきました。最初は心臓の辺りが痛みます。三分ほど経過すると、徐々に痛みの位置が胃のほうへ移動するのです。心電図で検査しても異常が無かった心臓痛。時間の経過とともに、胃のほうへ痛みが移動する不思議な症状だったのです。


第四部第四章第四節 謎の心臓発作 その三

 平成二十三年一月二日夜、真っ黒な便が出ました。大腸がんではないかと思い病院に行くと、大腸内視鏡検査と胃内視鏡検査を行うことになりました。その時点で、謎の心臓痛は、二十五年も続いていたのです。痛みが心臓から胃へ移動する不思議な痛み。これはもしかして食道に傷のようなものがあって、それが時々痛むのではないかと疑っていたのもこの時期でした。しかし、胃内視鏡検査の結果は異常無し。食道から胃まで診てくれたにもかかわらず異常無し。本当に不思議な心臓痛です。

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