純子が飲みに行くから一緒に来ないかい?と言う。
家でちびちび飲んでいたが、一緒に出かけることにした。
近所のスナックに行く。
カラオケを何曲か歌っている内に、何時もカウンターの中に居る女の子が非番なのだがやってきた。
このお店のアルバイトの女達はマスターの好みなのか、皆、背が高い。
平均身長170くらいか。
顔の造作も良く見りゃ良い仕事が成されている。
ただ、縦方向と同様に横方向にも大きいから、せっかくの美貌が肉に埋もれて前面に出て来ないのが惜しい。
彼女等が本気で痩せたらモデル事務所に来たかと見まごう場所だとは思うのだが、現実は女相撲部屋か、悪役女子プロレスラーの控え室にいるような気分になって、「ちゃんこ一人前!」と注文しそうになってしまう。
悪役女子プロレスラー達は、本当は家庭的で料理が上手い。
それは給料が安くて自炊をせざるを得なかったからだろう。
まあ悪役女子プロレスラーに限らず、女子プロレスラー全般に言える事だとは思うが。
お店の女の子達は本業を持っていて、夜のパートでカウンターの仕事をしている。
一人で子供達を育てている人達が多い。
純子が新しい職場に変わったので二人で話をしている。
彼女は色々な仕事をしてきたのだが、40件も履歴書を送って採用されなかったという。
俺だったらくじけてあきらめ、酒を飲んでるだろうなと思う。
彼女たちは本当にたくましいなと思う。
子供を育てる為に一心不乱なのだろう。
何でも乗り越える覚悟があるんだろうと思う。
あんまり体調が良くなかったので一人で帰ると言ったのだが、純子が自分も帰るから少し待っていなさいと言うので我慢していたのだが、睡魔が襲ってきて店の隅で気絶するように眠ってしまった。
おぼろげな記憶の中で、女子プロレスラーの彼女が毛布を持ってきて掛けてくれた。
独り者だったら暖かさにほだされていたかもなあ。
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