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2015年05月30日22:24

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【喘息と体罰の少年時代】第二部 体罰/第二章 納豆授業/第六節 藤村くん

【喘息と体罰の少年時代】
第二部 体罰
第二章 納豆授業
第六節 藤村くん

藤村くんについては、思い出すことが一つあります。いえ、三十五年間忘れられずにいたのです。
藤村くんは、小学二年生の時に隣町から転校して来ました。担任は本橋先生。ある日の休み時間、藤村くんと何人かの仲間が、教室の後方の小さな黒板に絵を描いて遊んでいました。藤村くんが描いたのは、新郎新婦。二人の頭上には、三つのハートマーク。
教卓で次の授業の準備をしていた本橋先生が、それを見つけて言いました。
「藤村くん、絵が上手ね。その二人の頭の上は、リンゴが乗っかってるの?」
昭和四十六年当時五十歳の本橋先生。ハートマークを知らなかったのですかね? それとも
「小学二年生で、ハートマークを描くなんて、ませたガキだ。けしからん!」
くらいに思ったのでしょうかね?
僕には、本橋先生の言葉のトーンが「単なる質問」には聴こえませんでした。藤村くんは、何も返事をしませんでした。本橋先生の言葉に、どことなく「トゲ」を感じたのでしょうか? 小学二年生で、新郎新婦の絵を描いて頭上にはハートマーク。そんな藤村くんは、「ませたガキ」だったのかも知れません。感受性も強かったかも知れませんね。
そのことが、藤村くんの人格形成にどのような影響を及ぼしたのでしょうか? 藤村くんは、小学四年生頃から、リーダー的存在になりました。中学校に進学すると、不良仲間を数人引き連れて、いわゆる「番長」になりました。平成十年の同窓会では、「番長」の雰囲気はスッカリ消えていました。そして、平成二十五年の同窓会では、立派に幹事を務めました。仕事は、年商五百億円の会社を経営しているのだそうです。




プロローグからいきなり飛んでしまって申し訳ありません。

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