mixiユーザー(id:5376428)

2015年05月24日23:55

121 view

「やさしい女」

22日は「国際市場で逢いましょう」

23日は「パレードへようこそ」
     「ラブバトル」を観に行きました。





「国際市場で逢いましょう」、

第2次大戦終了後 朝鮮半島の人々が如何なる苦難の人生を歩んだか…を
実に解かりやすいドラマに仕立てた感動話。
朝鮮戦争時 朝鮮北部から南へ南へと逃げ惑う難民の群れ―
ドイツの炭坑への出稼ぎや看護資格取得と引き換えの病院勤務―
ベトナム戦争への派兵―
83年のKBS離散家族探索の特番―
怒涛の朝鮮半島現代史を
一人の男の人生に寄せて語る物語は涙なくして観られない。
先の世代の苦難を次世代にちゃんと伝えよう!という意図なのがよく解かる。
ちょっと『素晴らしき哉、人生』みたいで
主人公が自分の夢を諦めて家族のために働かざるを得ない…
という構図も感動を誘う。
映画として上等か?と言われるとするりと首肯できかねるが
お隣りの国の歴史を涙の感動話として勉強するのもよいのでは…?





「パレードへようこそ」、

84年イギリスのサッチャー政権下
ウェールズの炭坑のストライキは長期戦となり資金不足は深刻で
組合員や家族は疲弊していた。
ニュースでそれを見たゲイの活動家は彼らの支援に乗り出すが…というお話。
う〜…なんと言うか
こういう人と人との連帯のお話って、めちゃくちゃ熱くなるなぁ!
もちろんドラマとして脚色されているとはいえ
ゲイたちとど田舎のマッチョ思考な炭鉱夫とその家族たち―の物語は
ものすごく面白くて
サイコーに楽しくて
幸せな感動に満ちていて
いい映画だなぁ!! と叫びたくなります。





「ラブバトル」、

『ボネット』以来19年ぶりとなるジャック・ドワイヨン監督作品。
男と女が言葉で、そして肉体で、
タイトルそのままに戦うお話なんですが、
観念的だよなー、フランスってこういうの好きだよねー。
『真夜中の恋愛論』も全編裸の男女が語り合いSEXする映画だったけど
これもそんな感じ。
こういう映画もあっていいけど
はっきり言って退屈(笑)。





「やさしい女」 ’69 (仏)

監督・脚色・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
原作:フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
撮影:ギスラン・クロケ
m:ギイ・フランジャン,ジャン・ロブレ
f :ドミニク・サンダ

日本公開86年だというロベール・ブレッソンの69年作品。
質屋の中年店主の若い妻が投身自殺する。
夫は妻の亡骸を前に 彼女との関係を回想する…という物語。
ドストエフスキーの原作短篇は未読。
愛想のない語りが対象たる人物の内奥を赤裸々に暴き
残酷なまでに台詞のない俳優の感情の起伏が読めない貌が
人間の在りようを彫り上げる…
そういう映画なのだ。
だからいつものブレッソンの映画なのだが、
これは彼の初カラー作品であるらしく
ドミニク・サンダ 17歳の銀幕デビュー作なのだ。
VOGUE のモデルだったという彼女の演技はお粗末なものだが
その意志する瞳が切り裂く60年代終わりのパリは
一切無駄がない故に彼女の美しさを際立たせ、
すれ違い続ける男女の想いが
愛だったかもしれない男女の関係を抜き差しならない閉塞へと導くのを
ドミニク・サンダの眼差しの力で
画にしているのだった。
17歳の女の魔術的美しさに陶然とする映画である。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する