前WBCフライ級チャンピオン
八重樫東(日)32歳
25戦20勝(10KO)５敗
身長162cm
リーチ161cm
ソンセーンレック・ポスワンジム(泰)31歳
29戦18勝(５KO)11敗
身長165cm
さて、『激闘王』八重樫、注目の復帰戦である。
八重樫東はミニマム級(47.6kg)の世界チャンピオンとなり、初防衛戦があの両者一歩も引かない壮絶な打ち合いとなった、井岡との統一戦。
その後２回級上のフライ級(50.8kg)の王座を獲得するも、あの伝説の王者ロマゴンの挑戦を受けて立ち、壮絶なる死闘の末に王座陥落。(勝ったロマゴンもリング上で泣く程の苦しい戦いだった)
その後の復帰戦がいきなり３回級制覇となるライトフライ級のタイトル挑戦という前代未聞のマッチメイクとなるなど、激しい戦いを続けて来た。まさに『激闘王』の名に相応しい男。
が、もう５敗だし、そろそろ少しやりやすい相手と戦って、勝って勢いをつけるのも必要じゃなかろうか。
で、今回の相手、ソンセーンレックだけど、11敗もしてるんじゃ『咬ませ犬』じゃないかと思ってしまうのだが、18勝してるし、歳取って最近急激に劣化したとかで連敗してるだけかもしれない。実際１年半前には２RKO負けとは言えタイトルにも挑戦してるしね。何より八重樫とは体格が違うので要注意だ。
１R
八重樫は出入りのスピードを活かしたボクサーファイターの戦い方。
ソンセーンレックは一回り大きな体躯を活かしたロングレンジからの強打。
ラウンド終盤、ソンセーンレックのワンツーに合わせた八重樫の右ショートがカウンターでクリーンヒット。まともに顎に喰らったソンセーンレックはそのまま崩れ落ちるようにダウンした。
通常左のリードブロウ(ジャブ)はストレートとし、一歩踏み込んで右ストレートに繋いでワンツーを打つ訳だが、ソンセーンレックは左のリードにストレートではなくフックを使っていた。ストレートではなくフック。つまり、それだけ距離が近い訳だ。安易に八重樫の距離で戦ってしまっていたのである。
確かにこれも１つの作戦で、八重樫のパンチも当たるけど自分のパンチも当たり、相打ちならパワーの差で打ち勝てるとの考えだったのだろう。しかし八重樫を相手に中間距離での戦いはあまりにも無謀だった。
八重樫10−９ソンセーン
２R
八重樫が出て来たところソンセーンレックが反撃に転ずるが、そこに八重樫の右がカウンターでヒット。ソンセーンレックは垂直に落ちるようにダウンし、自分の右足を軸にバウンドするようにして後頭部をキャンバスに強打。レフェリーはその瞬間に手を振って試合終了を宣言。
このレフェリーは非常に的確な判断を下した。実際ソンセーンレックはその後暫く立ち上がることができずリングには担架も持ち込まれ、豪快な失神KO劇を演じた。
ぶっちゃけこの相手は実力的に疑問符が付くと思う。スピードも無いしパンチ力だってそれ程でもなさそうだ。しかし八重樫が勝ったことには違いない。この１戦から勢いに乗って、再び世界の頂点まで駆け上がって欲しい。
同じ東北の人間として、心から応援してるぜ！
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