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2015年04月24日20:31

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映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」23日TOHOシネマズ新宿

http://www.foxmovies-jp.com/birdman/

第87回アカデミー賞4部門受賞(作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞)の話題作。私は、期待以上に面白かったです指でOK

一種の群像劇になっており、主要な登場人物の「一人一人」の、過去や迷い・あせり・野心・虚栄・苦悩がリアルに描かれていて、皆に、私は共感しました。落ち目の俳優主人公リーガン(マイケル・キートン)が演劇で再起を計ろうと苦闘する、という単純な物語ではなく、より多彩で、彫りが深くなっている、と、思います。この映画は、登場人物全員に思いを馳せて観るがよいのです。

主人公の娘サムを、先日観た「マジック・イン・ムーンライト」でキュートな魅力を全開させたエマ・ストーン(写真右)が、この年代特有の反抗・・挫折・憎悪・愛情・揺れ、を等身大に演じていてグッド・ジョブ! 少しの登場ですが、業界を牛耳る女流演劇評論家の胡散臭さ・傲慢さを見事に演じてみせたリンゼイ・ダンカンも「いい味」です。もちろん、エドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ他の出演者も好演!

演劇初日の衝撃的なクライマックス場面からラストまでの展開のせいで、この映画、やや難解になっているかもしれない。ここをどのように受け止め解釈するか、観客が自由に想いを馳せることができるのも私は興味深いですが、幻想とはいえ「バードマン」のリアルな登場(?)から、ちょっとファンタジー的に画面が展開するのには、「評価・好き嫌い」が分かれるかも知れないですね。

ロングショットを多用したカメラワークが臨場感を出す。NYの街の色彩の変化も、見ものです。劇場内(西44番通り「セントジェームス劇場」を使用)やタイムズ・スクエアー・ブロードウエイの雰囲気が素晴らしいし、夜から朝への空気の転換も美的に実に鮮やかな映像で撮った。撮影賞受賞も納得です!

ネット社会の現実や「映画と演劇のせめぎあい」をうまく取り入れ、「散りばめられたセリフ」の面白さ(映画人ネタ・時事ネタも分かる人には面白いうまい!)・現代性とともに、ドラム・リズムのみを強調した音楽がシンプルながら実に新鮮かつ効果的です。これは凄いな、と思いましたダッシュ(走り出す様)。ドラムソロだけで場面・場面を描き分け、登場人物の心理を鮮やかに暴く。穏やかな場面でのクラシック音楽(ラベルやマーラーなど)使用が陳腐で空虚にさえ感じられるほどに印象的なドラムの使い方です。

「観る人を選ぶ映画」で、観た全員が納得するようなエンターテイメントではないあせあせ(飛び散る汗)、と思いますが、「映画の今」に少しでも興味がある方なら、観られてはいかがでしょうかしら。アカデミー賞の存在も、まんざらでもないな、と、私は、ちょっと見直しました。

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