■セウォル号、引き揚げ検討も 韓国当局「技術的に可能」
(朝日新聞デジタル - 04月10日 19:31)
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韓国で起きたあのセウォル号沈没事故から間もなく一年が経とうとしている。現在は起訴された船長、船員の裁判が終わりそれぞれ実刑判決が言い渡されている。しかし肝心の事故原因などは闇の中に葬られようとしている。
ではセウォル号沈没事故はなぜ起きたのだろうか？その原因を検証してみよう
原因その１・・・悪天候の中での出港
事故発生の約１６時間前、仁川港では深い霧が発生していました。目視での可視距離はせいぜい８００ｍで１�卆茲盡�渡せないほどの悪天候でした。現代の航海システムがどんなに発達しても、濃い霧の中を出港することは極めて危険な行為ですので出港などできないはずです。ですが、事故発生から約１４時間前に学生を船に乗せ、.バウバイザー（車を乗せる為に船にある橋のようなもの）を閉めていたことから、かなり前から出港を決めていた可能性がありました。その証拠に、当日出港する予定だった船舶１０隻のうちセウォル号だけが出港を決めています。本来なら海洋警察が止めるべきなのですが、出港の為に海洋警察の人間に賄賂を渡していた噂もありました。
原因その２・・・船の船員が寄せ集めすぎたこと
事故発生約２２時間前にブリーフィングが行われていました。乗船していた船長は６９歳という高齢なうえにセウォル号の正規の船長ではなく代理でした。また副船長も入社して数日も経たない素人同然であることが解っています。そして本来船長が記入しなければならない積荷の安全点検書類もすべて部下の代筆で済ませていたようです。
原因その３・・・不適切な増築や利益を優先させ為の過積載と隠蔽のためのバラスト放水
事故後の調査で明らかになったのは東京の商社を通じて、韓国の清海鎮海運に数億円で売却されたセウォル号（旧船名：フェリーなみのうえ）に最上階部分船体後方に客室を増設したり、船首右舷側の貨物用ランプウェイを取り外すなどの改造が施され、重心が日本で運用されていた時より高くなり、定員数は804人から921人に、総トン数は6,825トンにそれぞれ増加していました。
また、出港当日、最大積載量の３倍以上にも及ぶ積荷を乗せていた事も判明しました。しかし提出されていた安全点検書にはすべて良好と記載されていたとの事でした。
本来そのような過積載をすれば喫水（船体が水上に浮いている状態での船体の沈む深さ）が深くなり、見た目にも過積載をしていることが解るが、その事実を隠蔽するべく行われたのがバラスト放水です。バラストとは船を安定させるための海水を使用した重りのことです。バラストが無ければ無いほど船は浮力を得ることができますが重心が高くなるので転覆のリスクが高くなります。解りやすく言えば、水の上に空のペットボトルを浮かべその上に多くの荷物を乗せることと同じです。
原因その４・・・操船が難しい海域を三等航海士が担当していたこと
事故発生５０分前、セウォル号は潮の流れが激しいメンゴル水道を航行していたとみられています。本来そのような海域は経験豊富な航海士が担当すべき海域だが、当時担当していたのは未熟な三等航海士だった。
これらの悪原因が重なり４月１６日午前８時５０分に事故が起きた。これは明らかに人災です。
この後は多くの方がご存じのように、乗客を見捨てて船員が避難していたことなどがありました。また、韓国海洋警察（日本で言えば海上保安庁）には海難救助隊が釜山にしかいない事も悪条件のひとつだったのかもしれません。
また日本のメディアの取材で海洋警察関係者は次のような言い訳をしています。「慌てていて船内への潜入指示を忘れた」、「沈没の知らせは受けたが船内に数百人もの人間が居ることを知らなかった」、「３０年にわたる海洋警察生活で沈没する船からの海難救助訓練を行ったことは一度も無い」もはや小学生の言い訳ですね。
結果としてセウォル号沈没事故は安全より利益を優先し、虚偽がはびこる条件下での人災であったということが解りました。
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