ネコは回復いたしました。
よかったよ、死ななくて。
思惟太はネコビンボーになりましたが…。くすん…(笑)。
今 ジムでランニングを習っています。２ヶ月くらい。
１年半前にタバコをやめたら
あっという間に５�� も肥ってしまったので
走れるようになって痩せよう！という企てです。ははは。
歩き方から始めて 漸く２０分走れるようになりました…が、
あちこち（膝とかアキレス腱とか）の違和感を修正しながらなので
外を走れるようになるのは
いつのことやら…。
本日は、ロウ・イエの新作。
思惟太は『ふたりの人魚』 も 『天安門、恋人たち』も観ていないので
こんなに単純にお話が面白いロウ・イエ作品は初めてでした(笑)。
「二重生活」 ’12 (中･仏)
監督：婁��(ﾛｳ･ｲｴ) 脚本：梅峰(ﾒｲ･ﾌｫﾝ)
ｍ：秦昊(ﾁﾝ･ﾊｵ)，祖峰(ｽﾞｰ･ﾌｫﾝ)，朱亞文(ｼﾞｮｳ･ｲｴﾜﾝ)
ｆ ：郝蕾(ﾊｵ･ﾚｲ)，齊溪(ﾁｰ･ｼｰ)，常方源(ﾁｬﾝ･ﾌｧﾝﾕｱﾝ)
’13 アジアン･フィルムアワード 作品賞，脚本賞，新人賞
ロウ･イエの新作にして 久しぶりに中国国内での公開が叶った作品のようだ。
豪雨の中暴走する若者たちの車が若い女をはねるところから始まる物語は
その事故に関わる加害者や刑事や被害者やその遺族や
死んだ彼女の携帯から繋がる実業家へ…と
幾人もの人の日常を掬い上げるのだが、
成功者である実業家ヨンチャオの
正妻と愛人の間を行き来する二重生活を語りながら、
中国の現在を生きる市井の人々の落ちる陥穽のうしろ暗さを炙り出して
見事なのだ。
被害者の女子大生はネットの援交サイトで身体を売っているし
彼女をはねた富豪の御曹司は金で社会はどうにでもなることを知っているし
被害者遺族である老いた母は娘の死と引き換えに都心のマンションを手に入れる―
はねられる以前に鈍器で頭部を殴打された痕があること
彼女が滑り落ちた斜面上にヨンチャオの妻のキーホルダーが落ちていたことを知っても
富豪と遺族の示談が成ると 担当刑事は捜査を止めてしまう―
妻との共同事業が好調のヨンチャオは妻と娘と豊かな生活を送りながら
愛人サン･チーとの間に男の子をもうけ 二重生活を送っている上に
援交サイトで昼間女を買っている―
愛人サン･チーは巧妙に本妻ルー･ジエにヨンチャオの浮気を知らせ
嫉妬に駆られたルー･ジエは女子大生を追って傷つけてしまい
その諍い密かにを見ていたサン･チーはルー･ジエが去った後
更なる暴行を女子大生に加え斜面下に突き落とす―
そうしてそれを付近に暮らす浮浪者に見られるのだ―。
ここに登場する人々は富豪から浮浪者まで現在の中国を生きる市井の人たちだが
どの一人も“正しき人”でない。かと言って悪人では勿論なく、
言ってしまえば中国の現在を映した人々である。
若い女は性の倫理に縛られることはなく 手軽にネットで売春するし
富豪のぼんぼんは 傲岸不遜で恥を晒し
刑事は誰の利益にもならない事実の解明より示談の方がよいと思っているし
一人っ子政策で男子の孫が欲しい母により
ヨンチャオとサン･チーの愛人関係は保証されている―
男子の母であるサン･チーはいつか正妻になれる日を夢見て事を仕掛け成功し
正妻ルー･ジエは刑事に対し女子大生への暴行を否定する―
浮浪者はサン･チーを恐喝する―
豊かになった中国はかくして
人の品格を失いつつある…とでも言うように
ロウ･イエは今作でも激しい雨に登場人物を投げ込んで
雨に洗われるというより 雨に溺れかけた彼らが見せる“本性”を
画にしているのだった。
こんなにドラマの面白さが勝ったロウ･イエ作品は初めてかも。
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