東京大地塾における、鈴木宗男、佐藤優さんのご意見。
２０１５年３月１９日（但し、下記意見は過去からのも含む）
鈴木宗男さんの話
【そもそも何故、名護市辺野古が選ばれたのか？】
「私（宗男）が中川一郎（農水省大臣の1977〜1978年 福田内閣）の秘書時代に、沖縄県からサトウキビ価格維持の陳情団が上京。
中川一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E4%B8%80%E9%83%8E
そこで私が斡旋して中川大臣と面談出来るように取り計らった。
その陳情団の団長が後に名護市長になる比嘉鉄也氏であった。
沖縄陳情団が農水相に会えたのも初めてであった。
中川大臣は北海道の砂糖大根の価格を沖縄県産のサトウキビより高額に設定することを約束し、それを履行した。
（沖縄のサトウキビが相対的に安価なため、より売れるようになる）
それを沖縄の比嘉さんは恩義に感じてくれました。
（ほかの裏取引もあったと思うが、ここでは関係ないので割愛）
その約２０年後に、普天間基地レイプ事件が発生。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E7%B1%B3%E5%85%B5%E5%B0%91%E5%A5%B3%E6%9A%B4%E8%A1%8C%E4%BA%8B%E4%BB%B6
橋本総理（当時）がモンデール大使と会談して普天間基地の閉鎖を決定。
その移設先を探すことになった。
最初の案ではキャンプシュワブ内の密林地帯を切り開き、滑走路を作成するものであり、約1000億円で出来るはずであった。
しかし受け入れ先選定は困難を極め、私は沖縄開発庁長官だったので、名護市の比嘉市長に頼みに行き、嘆願し、過去のサトウキビ価格の件の経緯から、比嘉氏が応諾。
次期市長選挙立候補を辞退することを条件に受け入れ案を承諾してくれたのです。」
※
普天間基地移設問題のwikiにはこれは書かれていないし、鈴木氏のいささか自画自賛の感もあるのだがいまさらウソを言う必要もないので、事実とみて間違いなかろう。
名護市が受け入れたのはサトウキビの価格の件で義理があったからである。
住民投票で賛成・反対票が拮抗したのもそれが理由だとすれば納得できる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AE%E5%A4%A9%E9%96%93%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E7%A7%BB%E8%A8%AD%E5%95%8F%E9%A1%8C
「そのまま造成すれば問題なかったのだが、小泉政権時代（額賀防衛大臣）に鈴木バッシングが発生して私は自民党から離党。
その直後から、辺野古埋め立て案が浮上したのですね。
しかも造成コストは4000億円と高額になってしまいました。」
※
政府やマスコミが「海兵隊が日本の抑止力」と言い出したのは丁度この頃。（2003〜2005年）
「今の政権はその当時からの経緯やつながりを全く知らずに沖縄と交渉している。名護市の受け入れも簡単に決まったわけではない。
サトウキビの話から信頼関係を構築するのに２０年掛かっているのを知っているのか？
知らないから今のような話になるんです。
沖縄県の気持ちを大事にしなければ話は進まないでしょう。」
ここで参加者から質問
「ではいったいどうしたら良いのですか？最初のキャンプシュワブ案に戻せということですか？」
宗男さん
「キャンプシュワブ案で良かったのだが、その後ヤンバルクイナがいるとかで環境派が反対してしまいとん挫してしまった。
ここまでこじれたら、もはや沖縄側には感情問題しかなくなってしまい、どうしようもない。
やはり最初から交渉し直ししかないのではないか。」
佐藤優さん
「日米同盟は重要だが、県内移設はもう諦めるしかないのではないか？
このまま工事を進めると、安部政権の機動隊と沖縄県民が衝突して流血事態になるだろう。
陸上自衛隊の沖縄移設の話もあるが、沖縄県民は米軍よりも自衛隊の方が嫌いですからね。
（沖縄戦の集団自決、久米島住民虐殺事件のため）
従って沖縄義勇兵を考えるという手段もあります。
沖縄県民だけで結成した軍隊を作り、それを自衛隊の一部にする。
しかしこれは沖縄県民に武器を渡すことになりますからね。」
宗男さん
「それもまた問題ですよね。
また今の政権も国会議員も沖縄の心と向き合う姿勢がないのが問題なのではないか？
私は沖縄の学童疎開船「対馬丸」の潜水艇捜索も橋本内閣時代に行った。
発見するまでは橋本総理も気乗りしなかったのだが、天皇陛下が新聞をご覧になり、総理に感謝を述べたら、あのポマード頭がですね「鈴木君、よくやった」と感謝してくれたんです。
対馬丸
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E9%A6%AC%E4%B8%B8
また沖縄海兵隊の砲撃訓練も北海道羅臼の射爆場に移転して負担軽減した。
現職の議員でそこまでやった人間はいるのだろうか？」
※
よくよく話を聞いてみれば、安全保障とか抑止力云々とは全く関係ないところの話であり、二人とも「ホシュ」連中が言う「中国の軍事力が脅威」なんて話は全く出てこない。
結局は日本政府と沖縄県との土地利用・利権問題であり、相手は金では済まないと言い出したので、感情問題をどうするのだろうか。
今の安部政権には野中広務も鈴木宗男もいないわけであり、誰も沖縄問題に取り組んだ実績がない。
それで菅官房長官が翁長知事に会っても、心根を見透かされて「言い方が気に入らない」とケチをつけてくるわけであります。
確かに沖縄県も反対派、賛成派に分かれて良いように本土から金を引っ張ってきた実績はある。
しかし我々本土の人間は何も考えずに全部嫌なことを沖縄に放り投げてきたので、今までみたく
「お前ら金を貰えばいいんだろう。要は金が欲しいんだろ」
という上から目線で乞食扱いすることはもう出来ませんということですね。
【海兵隊は日本の抑止力か？】
毎回の様に辺野古問題になるとこの話が出てくるのだが、海兵隊は朝鮮戦争時代から日本におり、当初は岐阜駐屯地と山梨県に駐留。
しかし周辺住民への暴行事件が相次ぎ、住民の猛烈な反対運動が起きたので返還前の沖縄に移設。
（実は態のいい押し付けである）
http://www.47news.jp/47topics/dokohe/5.html
当時普天間基地は米陸軍基地であった。
その後、
ベトナム戦争（１９６５〜１９７２年）
湾岸戦争（１９９１年）
それ以降も海兵隊は沖縄に駐留していたが、私の記憶の限りでは９０年代までは、抑止力という言葉はなかった。
当時は日米同盟という言葉もなく、単に日米安保であった。
政府とマスコミが日米同盟・抑止力なる言葉を言い出したのは
イラク戦争(２００３年）の自衛隊イラク派遣あたりからで、
東大教授の田中明彦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%98%8E%E5%BD%A6
外務省ＯＢの岡本行夫
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E8%A1%8C%E5%A4%AB
の二人が、アメリカがalliesと表現したのを引用し言いだし始めたと思う。
これはとんでもない話です。
日米安保は片務義務（アメリカは義務があるが日本は無い）の不平等の保護国条約であり、対等（双務義務）の米韓軍事条約、米比軍事条約とは比べるでもありません。
さて「海兵隊は抑止力」という言葉に幻惑されて、妄想を炸裂させる「ホシュ」の人は多いのだが、日米安保にそんな条項は何もなく、何の根拠もない話である。
その手の与太話で「ホシュ」が海兵隊の存在意義を示すために、必ず引っ張り出すのが朝鮮戦争の話だが、1950年の仁川上陸作戦以降は着前上陸はやらないし、やれないので自分で存在意義を出して説明せよ！とロバート・ゲーツ元国防長官に言われてる有様なのである。
「海兵隊は生き残れるのか？」
ゲーツ国防長官は先月７日、「私は今、次の海兵隊司令官候補者の面接を行っている。そこでの質問は、君の海兵隊の将来ビジョンを聞かせてくれ、である。なぜなら、イラクやアフガニスタンにおいて、海兵隊は第２の陸軍になっている。どこが陸軍と違うのか？ どんな任務が海兵隊を必要とするのか？が私の疑問でもある。」と海兵隊に挑戦状をたたきつけた。
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-16-1
「（私は）ペンタゴンでこんな風に言って制服幹部をたしなめている。
陸軍は未だにフルダ・ギャップ
（西ドイツのフルダ地区。冷戦時代はそこで東西の戦車軍団が激突すると想定）での戦いを望んでいるのか？
海軍はまだミッドウェー海戦を夢見ているのか？
海兵隊は仁川上陸作戦をもう一度が合い言葉なのか？
空軍は単に飛んでいたいのか？（Air Force just wants to keep flying?）」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
中国軍が尖閣占拠したら、海兵隊が出撃する！は妄想もいいところであり、日米安保条約第５条は以下の通り。
第5条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。（以下、省略）
「日本国の施政の下にある領域における」とは英文ではこうなる。
in the territories under the administration of Japan
だが尖閣諸島はterritoiesだとは米国国務省は認めていない。あくまでも中立である。
過去日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1867902864&owner_id=20780552
大統領命令で出撃可能だが、しかし米議会による決議にて「宣戦布告」が必要。
「海兵隊も陸海空軍と同じく戦争権限法による拘束を受け、議会の承認を受けずに、大統領命令のみでの出撃では、事後48時間以内に下院議長と上院臨時議長へ書面で報告するとともに、議会による宣戦布告の承認がなされなければならない。この宣戦布告の承認がなされない場合、議会への報告後60日以内の戦闘のみ認められ、さらに30日以内の撤兵が義務付けられている」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B5%B7%E5%85%B5%E9%9A%8A
オバマ大統領が無人島の尖閣諸島問題で中国に全面核戦争にエスカレーションする様な宣戦布告をするはずもなく、出撃しないと考えるのが合理的でしょう。
まだ理解できない「ホシュ」の人は考えてご覧。
自分がオバマだったとして、尖閣諸島問題で中国に宣戦布告をしますかね？
しないでしょうし、出来ないでしょうし、実行する勇気も無いでしょう。
また沖縄海兵隊ＨＰには「海兵隊の駐留にて経済効果がある」とヌケヌケと書いてある。
http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Economy/Economy.html
�ー效藁�
現在、沖縄県内には3万4千人以上の軍用地の地主がいますが、平成26年度に支払われた借地料は1,000億円近くとなっています。
��個人関連消費
3,000人超の軍人・軍属が民間地域に住んでいますが、平成25年度に支払われた家賃や光熱費などの総額は10億円以上です。
上記は確かに海兵隊から沖縄県民に支払っているが、その原資は我々日本国民の税金である。こんなことを書くとは強欲極まりないのではないかね。
これだけ読んでもまだ
「中国軍が攻めてくるから海兵隊が守ってくれる」
「とにかく俺は海兵隊がいないと寂しいんだよ」
「お前は左翼かプロ市民」
という方は、重度の双極性障害と被害妄想の疑いがありますので、まず以下を読んでから
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8C%E6%A5%B5%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3
松沢病院のドクターに相談してください。
ここへのコメントは無用です。
松沢病院ＨＰ
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/matsuzawa/
菅長官と沖縄知事 主張平行線
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3356761
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