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2015年03月29日03:21

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セメント代わりを高炉スラグができるのは、なぜ?

セメント代わりに高炉スラグ…CO2発生を80%抑制した「環境配慮コンクリート」

産経新聞 3月28日(土)19時0分配信





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セメント代わりに高炉スラグ…CO2発生を80%抑制した「環境配慮コンクリート」


CO2排出量の比較(写真:産経新聞)


 スーパーゼネコンの大成建設が、製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)の排出量を80%削減した「環境配慮コンクリート」に力を入れている。セメントの代わりに、鉄鋼の製造工程で副産物として発生する「高炉スラグ」を活用し、CO2を抑制。課題だった仕上がり表面が肌荒れする現象も、新開発した刺激剤でクリアした。実際の工事で性能を確認済みで、同社は「エネルギー問題や地球温暖化問題の解決に貢献することが期待できる」として本格展開をにらんでいる。

■CO2発生の“元凶”はセメント

 通常のコンクリートをつくる上で、1平方メートルあたり約250キログラムのCO2が排出されるという。このうち、90%以上が「ポルトランドセメント」と呼ばれるセメントの製造過程で排出される。セメントが焼成によってつくられるためだ。同社は、セメントを使う量を減らしてCO2排出量を大幅に抑えられるコンクリートの開発を目指した。

 環境配慮コンクリートは、ポルトランドセメントをまったく使っていないのが特徴。代わりに、高炉スラグをできるだけ多く使用してコンクリートをつくっている。それでも、通常のコンクリートと同じように、製造したり、工事で用いることがもちろん可能だ。

 ただ、実現にあたり大きな課題があった。高炉スラグを多く使うと、コンクリートの仕上がり表面が肌荒れする「アブサンデン現象」が起きやすくなる。また寒さや暑さが厳しくなる冬や夏の工事では、コンクリートが硬化したり強度を帯びるのに時間がかかったりする。ひび割れが生じる恐れもある。

 この壁を乗り越える上で同社が目を付けたのは、コンクリートの硬化を促す決め手となる「刺激剤」の新たな開発だった。刺激剤の材料そのものに加え、刺激剤と高炉スラグ、水、骨材などとの組み合わせも研究を重ねた。その結果、最適な配合を見いだし、ポルトランドセメントをすべて高炉スラグに置き換えてもアブサンデン現象の発生を抑え、冬や夏の工事でも安定して使えるコンクリートに道筋を付けた。強度の発揮などの点でも一般的なCO2低減タイプとされる「高炉B種コンクリート」と同等の品質を確保した。

■表面の肌荒れやひび割れもクリア

 実際に性能を確かめる必要があるため冬の工事として平成25年2月に横浜市にある同社技術センター構内で、夏の工事として25年8月に川崎市にある大手鉄鋼メーカーの圧延工場で、それぞれ環境配慮コンクリートを使った工事を実施。施工後の状況を一定期間観察したところ、アブサンデン現象やひび割れはみられず、コンクリートの硬化は順調に進み強度も発揮した。ポルトランドセメントの代わりに高炉スラグを多く使用しても、実用面での問題はないことが確認された。

 技術上のめどをつけた同社は環境配慮コンクリートの応用に向けた展望を描きつつある。最大のセールスポイントであるCO2排出量の大幅削減などを前面に打ち出し、ダムや橋脚に用いられる大きな塊状の「マスコンクリート」や、防波堤や護岸といった港湾構造物、地下道を建設する上での地中構造物などで幅広く適用できるとにらむ。また独立行政法人土木研究所と共同で、こうした低炭素タイプのコンクリートの設計・工事に関するガイドラインとマニュアルをまとめる予定。今後の展望について同社は「国土交通省の案件も含めて環境配慮コンクリートを積極的に技術提案に活用したい」と意気込みをみせる。(森田晶宏)
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150328-00000536-san-bus_all
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