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2015年03月26日21:10

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映画「アメリカンスナイパー」

アカデミー賞10部門ノミネートされ、今話題のクリント・イーストウッド監督映画「アメリカンスナイパー」(以下、アメスナ)を新宿ピカデリーで見てきました。

何と平日なのに映画館は満員でした。
昨年末に当時話題のブラッド・ピット主演映画「FURY」はロードショウ初日にもかかわらずガラガラ。
軍オタご用達のシャーマン戦車とティーガー戦車の実物が登場したにも関わらず「やっぱ戦車モノって人気ないな」と改めて思った次第。

同じく昨年春に上映された、アメスナ同様ネイビーシールズ物の「ローン・サバイバー」もガラガラで、確かにつまらない大したことない映画だったのは事実です。
コンバットマガジンは大特集していましたが、「サバゲーマニアにはヨカッタネ」というものです。
上記2作はツタヤでレンタルしてますから、ご自分で見てご確認ください。

さてアメスナ。(以下はネタバレ)

主人公はクリス・カイル
Christopher Scott Kyle、1974年4月8日 - 2013年2月2日(満38歳没)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%AB

既に亡くなってる方が主人公なので話は最初から全部判ってしまいます。
ここが実在の人物の映画化の難しいところですね。

これが本人
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以下はストーリー

テキサスでカウボーイ生活を送るクリス・カイルはテキサス人らしく、少年時代より射撃の達人であった。
しかし9.11で衝撃を受け、「ネイビーシールズ」に入隊を決意し、難関を潜り抜けて見事に入隊。
2005年イラク・ファルージャにて海兵隊の防御として、ビルの屋上から狙撃準備。
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映画の冒頭のシーンがこれです。

イラクのとある町を進撃する海兵隊及びM1戦車。そこに母親と少年が目前に現れる。
クリス
「何かを持ってる、戦車用手榴弾を持ってる!確認できるか?」
司令部
「出来ない。お前の判断に任せる」
隣の同僚
「間違えたら軍刑務所行きだぜ!」
クリス
そのまま少年と母親を射殺。

それがクリスの実戦初の狙撃であった。

2回目のイラク派遣
ファルージャを進撃する海兵隊。
だが市街戦になれてなく、訓練不足で大損害を受けてしまう。
クリスは本来は狙撃チームだが、「見てられない。俺が行く」
とそのまま海兵隊と同行して進軍。
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アルカイダのメンバーであるアブー・ムスアブ・アッ・ザルカーウィーの追跡・殺害計画を行う。
ザルカーウィーはアルカイダのメンバーだったが、今話題の「イスラム国」のバクダーディーの仲間であった(2006年6月米軍F16の爆撃で死亡)

ザルカウィーの部下の「屠殺者」の愛称を持つメンバー殺害作戦を行うが、情報協力したイラク人の子供が電動ドリルで殺害され、父親も射殺されてしまう。
怒り狂うクリス。
だが、そこにはアルカイダ最強のシリア人スナイパー「ムスターファ」がカバーしており、猛烈な射撃にクリスは手も足もでない。

3回目の派遣
前回取り逃がしたアルカイダの「屠殺者」殺害計画作戦を発動。
味方も大損害を受けながら、見事に達成。

4回目の派遣
この回でイラク駐留米軍の装備が一新。
無人機プレデター、
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MRAP
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装甲ハンビーが登場。
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サドルシティにてシーア派ゲリラ掃討作戦。
ここで宿敵「ムスターファ」を1900mの遠距離で狙撃してしとめる。

帰国して除隊後、PTSD障害者の元海兵隊員エディ・レイ・ルイスに射殺される。
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ざっと書きましたが記憶違いがあるかもしれません。

イラクのバクダットでも上映されたそうですが、評判は最悪。
既に終わっているイラクとアメリカの戦いをトータルすると、アメリカ人は4千人。イラク人は10万人が死亡。
「全てのイラク人がテロリストのように描かれ、主人公がイラク人は野獣だと言及する、そんな映画、誰がカネを払って観たいと思うか?」
しかもストーリーのいたるところが適当。
例えばサドルシティでは上記のようにシーア派ゲリラが米軍と戦ったのだが映画ではその敵がアルカイダだと描かれている。
先の宿敵ムスターファはスンニ派アルカイダ所属なのだから、サドルシティのシーア派と野合することは史実では有り得ない。
(アルカイダもイスラム国もスンニ派)

【感想】
クリスは「伝説の英雄」なのですが、ベトナム戦争でもシールズのスナイパーはいましたが、当時は全く映画にもならず、何の評価も受けなかったのに、2011年ビン・ラディン暗殺後はシールズ人気が高まり、そのものズバリの「ゼロ・ダークサーティ」(主人公はCIA)、上記の「ローン・サバイバー」(アフガニスタン・タリバン戦争)、この作品と3連作で、随分アメリカも変わったものだなと。

またアメリカらしいのは、イスラム湾岸諸国もイスラム教も全く理解が出来ずにイラク戦争を始めてしまい、そこで8年間戦い。撤退後5年経過しても、まだ全く何も判っていないということでありまして、
現在はイスラム国と戦っていますけれど、その理解力のなさにドリフターズじゃないですが「ダメだこりゃ」と絶望的になります。

ワタシの隣はカップルでしたが、グロシーンが多くて、お姐さんは口を押さえて「ドヒャー」状態でした。
デートでこの映画を見るのはお勧めしませんが、見たい方にはどうですかという映画でした。
しかし映画自体の完成度ではアカデミー監督賞を受賞した、同じイラク戦争を扱った
「ハートロッカー」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC
の方が高いと思います。
イーストウッド映画と思って「硫黄島からの手紙」を期待すると裏切られるかも知れないという感じです。
あくまでも私見ですから、そこはご自分が見て判断してください。


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コメント

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