年度末につき慌ただしいお仕事場にて。
マメシバ@まじめなOL、2週間前に終わったイベントの、顧客アンケート集計作業に没頭していました。
イベント終わったの2週間前なのに。
ばたばたしてて、全然集計に入れなかった!
急いでやらなきゃ!
アンケート用紙をひたすらエクセル表に入力してゆく作業。
読めない字も多く、目の前の作業に夢中になっていたところ、向かいの席の先輩が。
「...ねえ、マメシバさん?」
はっ...?
何やら話しかけられていたらしいのですが、気づかなかった。
きょとんとしていると先輩が
「だから、墓の話よ、墓」て。
...はっ...はっ、はか...?
「墓って、あの、坊さんがちーんてやってみんなで拝む、あれですか?」
仕事中に、まさかの墓の話題。
理解はできたけど、頭がついていきません。
「そうそう!今、みんなで話してたの。マメシバさんは将来、どこに入るつもりなの」
...ど、どこって..
「え、えとマメシバ家は地元に墓がありますから、そこにたぶん...あれ。」
あ、そっか、マメシバ家の墓は、あたしのモノでなくて弟が継ぐのかな?
したら、弟に「入れてね♪」て言っとかなきゃいけないもの?
とっさに口ごもった私に、先輩はにやりとして
「そうでしょう。弟に頼んで入れてもらうの、イヤでしょう?」と。
...確かに。
ちょいちょい職場で話題にしていたのですが、私は自分の血統がひどく疎ましい質です。
オヤには産み育てていただいた借りがありますので、責任は果たすつもりですが
彼ら亡き後は、姿をくらますつもりが満々。
よく考えたら、そんな自分がマメシバ家の墓に入れてもらうわけにはいきません。
自身も血縁に苦労させられている先輩、我が意を得たりとばかり
「イヤでしょう。死んでまで、あの狭い中で親兄弟と顔突き合わせているの」と続けます。
「い、イヤ死んじゃったら、誰と一緒に入ってるかとかわかんないんじゃないすかね?」
少々弱気で反論してみると、ぴしゃりと。
「んなことないわよ!天から墓見ながら『あーあそこに入らなきゃよかった』て絶対後悔するんだから!死んでまで後悔したくないでしょっ」
え、あ、そ、そうかな...あ、したら。
ぴかーっとマメシバの頭に思い浮かんだ言葉を発する前にまたもや先輩が
「ダメよ。散骨なんて、後に残された人が大変なんだから!場所によっては許可がいるのよ!」
あ、そうですか...。
どどどどうしろと...。
「あのね。私の母校の敷地に、いま空地になっているところがあって。そこに、みんなの共同墓地を作ろうって計画してるの。乗るわよね」
え。
ええええええ、まさかの職場独女共同墓地建設計画!?
ふと見ると、周囲を若干年上の同僚に取り囲まれていた私マメシバ。
「あ、あのでも私、老後の田舎暮らしが夢でずっとこの地にいるかわかりませんし、
死に場所をどこにするかはホラ、寸前にならないとちょっとよく、こう、絞りきれないというかあの」
「何猫みたいなこと言ってんのよ!」
はわわわわわせ、先輩、先輩!
すみません、あの、ひとつ言わせてください。
「あの、アンケート集計、続けたいんすけど...」
「あ。そうね、それ急ぎよね。どうぞ。」
たちまち、人壁は取り払われ、再び仕事に戻ったマメシバでした。
からかわれているうちが、花...そう思おう...
ログインしてコメントを確認・投稿する