葛藤。

先日。
ヴァンさんと彼氏に店前で待っていてもらい、近所のスーパーに買い物に行きました。

店への自動ドアを入る寸前、ふと振り返ると。
いつも遊んでもらっている気心知れた彼氏と一緒にも関わらず、ヴァンさんが目を泳がせて

ああああああああ
あわわわわわわ

とこちらを見ながら泡を食っております。

なぜだか、私が離れるとひどく取り乱すヴァンさん。
留守番が多すぎるのかなあ...す、すまないねえ。


飼い主、気もそぞろで慌てて買い物を済ませようと入店。
もうね、買うものは決まってるから！
今晩のおかずに、魚の切り身を２枚、買うだけだから！ヴァンさん、ちょっとだけ待ってて！

...が。

魚屋さんにたどり着くと、切り身のコーナーに大きなワゴンが停めてあり、
店員さんが２名、だらだら食っちゃべって作業中ではありませんか。

ぅんもう！
どいてよ、見られないじゃないの、切り身が！


...っ！
.....っっ！！！


飼い主マメシバ、一生懸命首を伸ばして、切り身を吟味します。
お値段も内容も（←ブリだった。）まあまあじゃないですか。

これ買って帰ろう、早くお店出よう！

そう思いますが、同じように切り身エリアにお客さんが溜まっていて、
そして店員さんが邪魔でなかなかパックに手が届きません。


なんなのよっ
邪魔すんな店員！ワゴン邪魔っ！！

ちらちら目線をやりますが、店員さん、なぜかジロリとこちらをねめつけるようにして
むしろどかずに頑張ってやがる

なんなの、ここのスーパー
あたしゃ急いでるのよっ


無理やり、隙間から手を伸ばして適当なパックをひとつひっつかみ、
ぷんすかしながらお会計へ持っていく途中で気が付きました。


...あ。
半額シールついてる。


...あああああああたしってばひょっとして、
半額シール狙いで人掻き分けてたおばちゃんやってた！？


まじでか。
とうとうやっちまったか、マメシバ＠４０歳。
スーパーの半額シールを貼られた傍から取ってくおばちゃんになっちまったか


うわああああ超恥ずかしい。近所のスーパーなのに。
しかし信じてほしい、私は半額シールを狙ってたんじゃなくて、一刻も早くヴァンさんのところに戻ろうとしていただけなのよ。
なんなら、半額シール剥がして定価で買ってもいい...イヤ、良くない...この鮮度で定価はちょっと思いきれないかも...そんなら干物買う...
いやいやいやそういう問題じゃない、プライドの問題だ。
定価で買ってもいい！いいから、信じてほしい。


とかなんとかぶつぶつつぶやいているうちにレジは進み、
結局半額で購入してしまう私


あああああやっちまった。
結局、恥ずかしいレッテルを剥がすタイミング逃してまった。
ダメだあ〜こんな４０歳は嫌だあ〜。


あからさまにしょんぼりしながらスーパーを出ると、
飼い犬ヴァンさんが涙目で（←そう見えた）飛びついて来、後ろからげっそりした彼氏が
「待ってる間中、このイヌは傍目からもわかるほどガタガタ震えてた！俺がいるのにまったくひとりぼっちにされたかのように！俺は犬さらいか！」とぷんすか。
とおりすがるお客さんが不審な目で見るので、抱き上げたり話しかけたり、必死にイヌを宥めていたそうです

あんたたちも、そこそこ長い付き合いなんだけどねえ...
なんで、彼氏とヴァンさんは二人でお留守番ができないのかしらねえ。


やっぱり、早く出てきてよかった、と思いつつ。

あああもう恥ずかしくて、しばらくこのスーパー来るのやめよう...。
てか、店員さんもさあ、いろんなお客がいるんだから、あんな傍若無人にシール貼りしなくってもいいじゃないか。
イヤ、この感情は、自分が恥ずかしいのを怒りに転嫁しているだけだ。そんな女はより一層恥ずかしいから我慢だ。
...しかしなあ、この時間にシール貼りするとか、普段あんまり気にしてなかったから知らなかったんだもん。シール貼りながらでも、普通にお魚の切り身を選ばせてくれたらいいのに。
ぅぅぅイヤイヤ、我慢だ我慢。この怒りは正当でない可能性がある。
クレーマーになってまう。余計かっこわるい４０歳だ。冷静になれ自分。
あああああてかもうあの店員、
「あいつ若作りしてたけどヤバいババアだな」
とか絶対バックヤードで言ってそう...違う、違う、そうじゃそうじゃない！（←？）


喜んでまとわりつくイヌと、ぷんすか怒っている彼氏を余所に
心底落ち込み、葛藤に苦しむマメシバだったのでした。