今の時期、春に新しい生徒を確保しようということで、新聞折り込みに毎日のようにチラシを入れている塾も多いです。
チラシの印刷代と折り込み代で、かなりの広告費がかかってしまいますが、大手塾にとっては他の塾と同じように入れていかなければ仕方なく、広告の段階で火花が散っているのです。
うちの塾は有難いことにそういう広告合戦には参加せずに運営できており、広告代は結局は生徒さんの授業料から賄うしかないので、広告宣伝があまりにも多い塾は、気を付けた方が良いかもしれません。
もう一つ、広告チラシについて僕が疑わしく思っていることがあります。
それは一流校を始めとする各学校の「合格実績人数」です。
今年の広告もそうですが、大手塾の中には一流中学や高校の合格者数が前年よりも増えたという書き方をしているところがかなりあり、毎年毎年多くの塾の合格実績が増えることに疑問を感じていました。
実は、2年程前、うちの生徒が大抵の塾のチラシに載るような都立中高一貫校に合格した時、大手塾のチラシやホームページなどを調べて、各塾が同校の合格実績をどれだけ出しているのかを調べてみたことがあります。
すると、一番多い塾で30数名から、20数名、10数名など次から次へと出て来て、1ケタの小さなところも諸々含めると、実際の合格者数が120名であるはずところ、全部で軽く300名以上の合格実績が挙がっていました。
もちろん、補欠なども少数ありますが、うちの塾からも合格者が出た年でしたし、うちのような弱小塾や家庭教師などを利用して合格した受験生も他にもいたはずです。
もうお分かりと思いますが、合格実績の数は、限りなく疑わしいものです。
例えば、そういうことを各塾に問い合わせしてみても、「うちは正確に出しています」とどこも答えるでしょうし、それでは誰が受かったのかと聞いてみても、「それは個人情報だから答えられない」と言うはずです。
僕の考えるところ、沢山の教室のある大手やグループ塾では、仮に改ざんがあったとしてもその事実を知っているのは一部の幹部だけで、一般の教室レベルでは把握していない可能性が高いように感じられます。
そうは言っても、大手塾を真っ向から批判しているつもりはなく、恐らくは、どこからともなく合格実績が実際よりも増える感じになり、他塾もそれに追随するしかなくなったようにも推測されます。
ただ事にこの合格実績人数については、賢明な皆さんはあまり当てにすることなく、他の観点で塾を選んだ方が良いのは間違いなく、その点だけはアドバイスしておきたいと思います。
これは人伝に聞いたことですが、大手予備校の数社だけで、東大の実際の合格者数の2割増しの人数が出ているとの話もあります。
人が数字を信用しやすい性質を利用し、嘘つきゲームのようになってしまった業界の悪しき慣行ですが、その嘘つきの犯人が特定できない構造により、今後もそのような状態が続くものと考えられます。
うち塾はそんなことをするつもりも毛頭ありませんが、そもそもうちのような地域の小さい塾は、そんな嘘をついても「誰ですか?どこの学校の子ですか?」と聞かれればすぐにばれてしまいます。
チラシの合格実績人数は、疑わしいと思って間違いありません。
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