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2015年03月09日05:30

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人の心を壊してしまう戦争。一度壊れてしまった心はなかなか戻らない。戦後70年もの間日本がここ最近再び“戦争ができる国”への道を歩み出そうとしている戦争は一体誰のために?これまでに戦争を行い一体誰が得を

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人の心を壊してしまう戦争。一度壊れてしまった心は、なかなか戻らない。しかも、何十年たっても。戦後70年もの間、戦争をしていない平和な国・日本が、ここ最近、再び“戦争ができる国”への道を歩み出そうとしている。

 戦争は一体誰のために? 
 
 これまでに戦争を行い、一体誰が得をしたのか。そもそも戦争が大成功したことなどあるのか。「戦争の後」をあらためて考えたい。

ラク・アフガン戦争で、生還した兵士のうち、精神的な傷害を負ったアメリカ人兵士は約50万人。毎年250名以上が自殺している。「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」、外部から強烈な衝撃を与えられた脳が頭蓋の内側とぶつかり、心理的な障害を起こす「外傷性脳損傷(TBI)」、うつ、悪夢、人格変化、自殺願望……

 生き残った兵士たちは、帰還後、なぜ苦しむのか?

 『帰還兵はなぜ自殺するのか』(亜紀書房)は、イラク・アフガン戦争がきっかけで、重い精神的ストレスを追ったアメリカ人兵士5人とその家族の苦悩の日々を追った、2013年にアメリカで出版されたノンフィクションである。著者はワシントン・ポスト紙で23年間記者として勤めた、アメリカ人ジャーナリスト、デイヴィッド・フィンケル氏。イラク戦争で従軍する兵士たちを取材するために新聞社を退社し、1年間にわたって兵士と生活を共にし、その体験を『The Good Soldiers』として上梓した。ところが、帰還した兵士たちから「日常にすんなり戻れない」「精神的なダメージを受けて苦しんでいる」などの相談を受け、「私の仕事はまだ半分しか終わっていない」と、兵士はもちろん、妻子や身内に至るまで取材を行い、「戦争の後」をテーマに、自分の意見を挟まず、徹底的に登場人物たちの姿だけを追っている。

 アメリカ領サモア出身のトーソロ・アイアティ(26歳)。彼はイラク戦争中、爆撃を受けて帰還し、重いPTSDと診断された。今も軍隊に所属しながら、復員軍人病院でPTSD快復プログラムを受けている。妻のテラサいわく、かつてのアイアティは「いつも陽気で愉しい人だった。何もかも冗談にして、笑い飛ばすような人だった」という。

 しかし、今は眠るために睡眠薬を、起きている間は眠らないようにするための薬を、さらに、鎮痛剤、抗うつ剤を飲み、皮膚から酒のにおいが染み出すほどのウォッカを摂取し、「自殺したい」と言うようになった。彼は、爆撃を受けた“あの日”以来、悪夢を見続けている。

 イラクでの戦闘中、ドッカーンという大きな音がして、爆弾の衝撃で乗っていたハンヴィー(高機動多用途装輪車両)が宙に吹っ飛んだ。ドアを開き、逃げ出そうとして、脚が折れていることに気づき、その場に倒れた。脚を引きずりながら、再びハンヴィーまで引き返し、出血がひどくてうめいている兵士を引きずり出した。ハンヴィーが火を噴き、あっという間に炎に包まれた。再び地面に倒れ、みんなが車から出られたのを見てほっとした。そのとき、ハーレルソンの名を呼ぶ誰かの声が聞こえた。「それで俺は、ああ、クソ! ハーレルソン。あいつのことを忘れてた」そう叫び、見渡すと、見えたのは炎と、彼がいた運転席のところにある人の輪郭だった。ハーレルソンは、シートベルトに固定されたまま焼け死んだのだ。

「どうして俺を助けてくれなかったんだ?」
 
 彼は、助けることができなかったハーレルソンの夢を見続けている。

 また、戦争は時に異常なまでに兵士たちを興奮させる。同じく重度のPTSDとされたアダム・シューマン(28歳)は、初期の侵攻の時には「これまででいちばんすごい映画を最前列で観ているみたいだった」「とても気に入ったね。銃撃戦でいつ撃たれるかわからない状態ってのは、最高の性的興奮を覚えるんだ」と語っている。しかし、同じ隊にいたマイケル・エモリーが頭に銃弾を受け、血まみれになりながら助け出し、かろうじて生き残ったものの半身不随となり、一番のお気に入りだった部下を失い、別の兵士から「あんたがいたら、こんなひでえことにはならなかったのにな」と言われ、爆弾が爆発したように体がバラバラになった。その言葉は、いつも隠れた爆弾をめざとく見つける、勘のいいアダムをたたえた言葉だったが「お前のせいだ」「お前のせいだ」と責められているように感じ、“すっかり壊れた”。

 人の心を壊してしまう戦争。一度壊れてしまった心は、なかなか戻らない。しかも、何十年たっても。戦後70年もの間、戦争をしていない平和な国・日本が、ここ最近、再び“戦争ができる国”への道を歩み出そうとしている。

 戦争は一体誰のために? 
 
 これまでに戦争を行い、一体誰が得をしたのか。そもそも戦争が大成功したことなどあるのか。「戦争の後」をあらためて考えたい。
(文=上浦未来)
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