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2015年03月05日17:27

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映画「アメリカン・スナイパー」(新宿ピカデリー 3月5日)

クリストファー・スコット・カイル(Christopher Scott Kyle、1974年4月8日 - 2013年2月2日)。アメリカ合衆国の元軍人。狙撃手。テキサス州出身。

おおよそ一週間前の新聞記事ですダッシュ(走り出す様)

2月24日、米テキサス州の裁判所は、米海軍特殊部隊「ネイビー・シールズ」の元狙撃手クリス・カイルさんを射殺したとして、エディー・レイ・ルース被告に仮釈放なしの終身刑を言い渡した。(ロイター)


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(公式HP)
http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/


重い映画です。イラク戦争というと、2008年の映画「ハード・ロッカー」があるけど、今回の「アメリカン・スナイパー」の方が、一人の狙撃兵に的を絞った展開なので感情移入しやすく、より記憶に残りそうです。クリント・イーストウッド監督(なんと今84歳)の傑作の一つになった、と、私は思います。

戦闘場面を覆う緊張感は凄まじく、これが地上戦の過酷な「現実」なのだろう。なんいう厳しさ。砂嵐が近づく中での、敵方狙撃手との因縁の対決は、手に汗握る。カイルの今(帰国後)と過去(戦闘に参加)を交互にみせながら、一瞬たりとも弛緩しない。見事な構成力と映像。

人を射撃することに逡巡しながらも、あたかも機械のように任務をこなすカイルの、否、戦争の怖さ。帰国しても心は晴れず暴力に取り憑かれたような心情。過酷。ラスト、カイルが殺害される場面を直接には描かないのが、映画として余韻を生む。無音のエンドロールは黙祷のよう。観終わった後の疲労感は半端ではない。

今、私が日本でノーテンキに映画を楽しんでいる「この瞬間」にも、イラクでアフガンでシリアで、戦闘が行われているのです。人が人を殺害している。女が子供が撃たれ、命を落としている。戦争で命を落とした、身体を損傷した、そして、心に傷を負った多くアメリカの若者達。評論家のように、その行為を他人事のように、愚かな事、と冷笑することを私はしたくない。彼らとて、自分で選んだ道ではなかったはずなのだ。カイルにだって別の人生の有り様はあったはず。もちろん、相手方の失われた多くの命にも、それぞれの人生があったはず。果てしない連鎖は人間社会の「業」のようなものなのか。なくならない戦争のもたらす悲しい悲劇。

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