ガンダム オリジンI・アメリカンスナイパー観てきたよ

■アメリカン・スナイパー
うーん。まあまあ、かな……。僕としては、巷で絶賛されているほどでは無かったです。似たようなシチュエーションの作品としては、ハート・ロッカーの方がエピソードにメリハリがあって面白かった。クリス・カイルは強烈な愛国心を抱いて、9.11事件を契機に志願兵になるんですけど、なんというかこういういかにもアメリカ臭い考え方や行動は、理解はできても共感できないんですよねえ。ハート・ロッカーの主人公はうさん臭いこと言わないので、危ない奴とは思っても十分に感情移入して映画に没入できたんです。クリス・カイルは戦闘の中でだんだん心を病んでいって、きっとアメリカの市民には身近な問題だとは思うのですが。帰国後の医師との面接において、彼は敵をたくさん殺したことについてどう思っているのか問われて、『自分はアメリカに仇なす蛮族どもを殺しただけで、罪などひとつも犯していない。神にだって証言できる』みたいなことを言うんですが。敵は人間じゃないと言ってるのと同じで、これは日本人にとっては心の均衡を欠いた狂気の表れでしか無いのですが、アメリカ人の中には本当にそう思っている人も少なからずいるはずなんですよ。もちろん、相手を自分と同じ痛みを感じる人間だと思ってしまっては戦えないし、罪の意識を逸らすための無意識の自己防衛という側面はあるのでしょうが、心の底からこういう考え方を肯定している一般市民も多くあるはずで（しかもクリスチャン）、そりゃ戦争なんてなくならないと思ってしまいます。9.11を経験したがため、という側面もあるでしょうが。命をかけて従軍している兵士の是非を問うてはならんとは思うのですが、一方で抵抗する者は人間ではないという考え方を、安全な場所にいる我々が肯定してはいかんとも思うわけですよ。誰かの言葉で『テロは絶望から生まれる』というのがあったんですが、その通りだと思います。あ、犬を襲おうとしたシーンは皮肉が効いてて良かったな。コリーは牧羊犬ですからね。

■機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル
凄い。原作全部やるんだ、というのが正直な感想。もっと端折っていくのかと思いましたよ。とりあえず過去編は4部作らしいという話を聞いたのですが、今作は90分強で、30分枠のTVシリーズに換算すると実に4話分です。これを4倍すると16話分……長すぎだろう！（原作でも長すぎだろうと思っていた）　エピソードの配分としては、

・I 青い瞳のキャスバル
　ジオンの死から、シャアとセイラの地球へ向けた脱出まで

・II 哀しみのアルテイシア
　兄妹が暗殺者から逃れるためにテキサスコロニーへ移住。おそらくキャスバルがシャアになるまで

・III
　MS開発史と並行し、シャアとガルマの士官学校時代

・IV
　開戦からルウム戦役まで

のようになるんではないですかね。尋常じゃない力の入れようですよ。まともにやってったらハガレン（新しい方）並の分量になるんじゃないかなあ。てかこのペースだと、完結までに何年かかるのかなあ……楽しみではありますが。絵と音のクォリティは文句無しなので、皆さん観ましょうね。難を言えば、平凡な演出かなあ。人が出てきて普通に喋るばっかりで、絵作りに工夫が足りないような印象を受けました。も一回観なおしたら感想変わるかもしれませんが。