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2015年03月01日19:28

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佐藤雄一演奏会☆2014年度を振り返る〜後半期中心に〜

2014年度は、8つのコンサートに足を運ぶことができた。

前半期は、私自身がベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》を歌うという大イベントを抱えていたので、佐藤氏の演奏会展望の執筆が遅れたりしている。

そんな中でも、調布フィルのメンコンと、ブラ2のコンサートは素晴らしいものだった。
ブラ2は佐藤氏の芸術性がときにデーモニッシュの域に達する、その典型だった。

☆調布フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 府中公演
■2014年5月11日(日)  開場13:30 開演 14:00
■場所 府中の森芸術劇場どりーむホール (京王線東府中駅 徒歩7分)
■曲目
♪C.M.v.ウェーバー / 歌劇「オベロン」序曲
♪F.メンデルスゾーン / ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
♪J.ブラームス / 交響曲第2番 ニ長調
■ヴァイオリン独奏 石亀 協子
■入場無料

日記リンク
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それに比べると、流山フィル定期のハイドンとブラ1は、手堅くまとめていたものの、佐藤氏らしさの弱い演奏会だった。
同じオケと長く組んでいると、佐藤氏でも上手くいかないことがあるという、典型だったようだ。

☆流山フィルハーモニー交響楽団 第45回定期演奏会
■2014年6月15日(日) 14:00開演 (13:30開場)
■会場:流山市文化会館(千葉県流山市 )
■演奏曲目
♪ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲
♪ハイドン:交響曲第104番<ロンドン>
♪ブラームス:交響曲第1番

日記リンク
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前半期のくわしいまとめはこちら
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1931451150&owner_id=26363018

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夏休みにはイギリスに行くという、私には珍しいイベントがあった。
プロムスで、ガーディナー指揮の世界最高レベルの《ミサ・ソレムニス》や、ユロフスキ指揮の世界最高レベルの《惑星》を聴けたのはいい経験だった。

彼らの指揮ぶりを見て、世界トップレベルの指揮者の凄さを実感した。
しかし、佐藤氏は、作品の深奥に迫る力は彼らに劣らないと思うし、指揮力、説得力もいよいよ凄くなっているのだ。
(プロムスでも、イヴァン・フィッシャーのブラームスより佐藤氏のブラームスの方が良かった。)

優れた才能がひしめき合う指揮者界で、世界トップレベルの評価を得る人もいれば、佐藤氏のように能力に見合った評価を得られず、アマオケや学生オケ相手の手間のかかる指導を続けている人もいる。

結果、私のように表現に特化して聴く聴衆には佐藤氏の素晴らしさが理解できるが、クラシック通でも多くの人には、アマオケ特有の演奏の疵が気になって、演奏内容のよさが分からなかったりするのだ。

それは全く惜しいことだ。

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後半期は演奏会ラッシュとなり、こんなに続いて大丈夫かと素人考えに心配した。

10月18日(土)慶應義塾大学医学部管弦楽団
11月16日(日)アルテハイマート合奏団
12月 6日(土)クリスマス・チャリティーコンサート
12月14日(日)流山フィルハーモニー交響楽団
12月28日(日)交響楽団CTK
2月22日(日)会津大学管弦楽団Dolce

しかし、佐藤氏の指導も、より効率的に進化しているのか、毎月のように素晴らしい演奏会を聴くことができたのである。


☆慶應義塾大学医学部管弦楽団 第38回定期演奏会
■2014年10月18日(土) 開場17:30 開演18:00
■川口リリア 大ホール
■曲目
♪A.Borodin/ 歌劇「イーゴリ公」序曲
♪J.Sibelius/ 交響詩「フィンランディア」
♪P.I.Tchaikovsky / 交響曲第6番「悲愴」

日記リンク
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「悲愴」は、センチメンタルな感傷性を断ち切った演奏。
ただの悲しみとも、絶望とも違う、何かもっと素晴らしいものが表現されていたと思う。
第3楽章の完全燃焼は、2014年度の演奏でもベストの一つだった。


☆アルテハイマート合奏団:第32回演奏会
■2014年11月16日(日)開演 14:00(開場 13:30)
■葛飾シンフォニーヒルズ モーツァルト・ホール
■曲目
♪モーツァルト:劇場支配人序曲
♪ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
♪ベートーヴェン:交響曲第7番
■ヴァイオリン独奏:井上律子

日記リンク
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937322504&owner_id=26363018

老成した感じのベト7は、佐藤氏の真意とは違ったように思う。
ドヴォルザークの協奏曲の、ソリストがアマチュアとしてベストを尽くした好演が印象に残った。


☆クリスマス・チャリティーコンサート Love came down at Christmas
■2014年12月6日(土) 開場 14:30 開演 15:00
■カトリック豊島パトリック教会聖堂
■プログラム
♪モーツァルト:Sancta Maria Mater Dei K.273
♪ラター:What Seeter Music
♪モーツァルト:Exsultate Jubilate K.165
♪エルガー:弦楽セレナーデ
♪レスピーギ:古風な協奏曲より第二楽章
♪早川正昭:日本の四季より「ペチカ」
♪グラハム&ロブランド:You Raise Me Up
♪河邊一彦:祈り
♪モーツァルト:Laudate Dominum
アンコール
♪モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
■ソプラノ:清水理恵 ヴァイオリン:佐藤美代子
合唱:Coro Salice 管弦楽:Ensemble Salice

日記リンク
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思いがけずいいものが聴けて、幸せを感じた演奏会。
選曲もユニーク。
アマチュアのチャリティ・コンサートの域を超えた、本気で音楽を愛し、表現する良さが溢れていたコンサート。


☆流山フィルハーモニー交響楽団
■2014年12月14日(日)14時開演
■場所:流山市文化会館
■曲目
♪ベートーヴェン:エグモント《序曲》
♪シューマン:ピアノ協奏曲
♪シューマン:交響曲第4番
■ピアノ独奏:鈴木裕子

これは珍しく感想日記を書かなかった演奏会。
良いところもあったが、微妙なところも多かったため、筆が進まなかったのだ。

ピアノ協奏曲は、ソリストの鈴木さんにミスがあったわけではなく無表情に弾いたわけでもなかったが、インパクトが弱く、ソリストとして立つことの難しさを感じさせた。
流山フィルの伴奏も、手堅く破綻なく弾いたのに、ニュアンスに乏しかった。

交響曲第4番も、音楽のつながりが悪く、第2楽章のコンミスのソロにも失望した。
ただ、終楽章の演奏は、累計3回聴いた演奏の中で一番良かった。
英雄的な物語性を持つ曲なのに、この英雄は若すぎて弱い部分があるのだ。
しかし、その弱さを正直に描いている部分も、この曲の魅力なのだ。
それがきちんと説得力を持って描かれていた。

流山フィルと佐藤氏は、今年度はある種の倦怠期だったのかもしれない。
しかし、流山フィルには、CTKやDolceにも参加した、佐藤氏と芸術的絆で結ばれたメンバーが多数在籍している。
2015年度には、より良い演奏を聴かせてくれることだろう。


☆交響楽団CTK 創設記念第1回演奏会
■2014年12月28日(日) 開場:18時20分 開演:19時00分
■場所:すみだトリフォニーホール・大ホール
■曲目
♪ブルックナー/交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版第2稿)

日記リンク
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佐藤氏の指揮でなかなか聴く機会がなかった大曲を聴けた画期的な演奏会。
その意味で近年まれにみる快挙だった。
佐藤氏のブルックナーは非常に素晴らしい。
今後も佐藤氏のブルックナーを聴く機会があってほしい。
交響楽団CTKの今後にも目が離せない。


☆会津大学管弦楽団Dolce第14回 定期演奏会
■日程■ 2015年2月22日(日)
■場所■ 会津風雅堂
■開演時間■ 14時(13時半開場)
■入場料■ 500円
■曲目
♪モーツァルト:イドメネオ 序曲
♪モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番
♪ハイドン:交響曲 第103番「太鼓連打」
■ピアノ演奏 江川 龍二

日記リンク
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1939355956&owner_id=26363018#feedback

最後の最後に来た場外ホームラン。
佐藤氏の人脈を結集したドリーム・チームによる夢の饗宴。
一回限りで消えていく音楽の、儚くもかけがえのない素晴らしさを感じた演奏会。

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2014年度全体を振り返ると、
調布フィルのメンコンとブラ2、
慶應医管の「悲愴」、
交響楽団CTKのブル8、
Dolceのモーツァルトとハイドン、
それらが、特に心揺さぶる名演奏だった。

2015年度も新しい展開がある。
5月には、郡山のアマデウス室内管弦楽団との初共演。
11月には、中央区交響楽団との2年半ぶり2度目の共演。
年末には、交響楽団CTKがショスタコーヴィチの7番と本邦初演の組曲を演奏する。

詳しい情報は、また改めてご紹介しましょう。
2015年度も、指揮者、佐藤雄一の活躍にご注目、よろしくお願いします。
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