「風立ちぬ」を見ていて、

映画「風立ちぬ」はTVでの放送が初見ではない、
Blu-Rayで持っているので内容は知っているのだが、
今、放送されているのを見て、
この作品は昭和の男と女のファンタジーなのではないか、と思った、

詳細な内容に関しては知らない方も居てるので伏せておくが、
仕事に一筋な男が輝いていてかっこよかった時代、
と言うより仕事に打ち込まない男がダサくて大人扱いされなかった時代、

そして仕事に打ち込む男を支える女が光っていて美しかった時代、
仕事一辺倒な男を支えるのが虐げられているのではなく、
己の器量で甲斐性だった時代、

仕事一辺倒な男を支える、と言うと、
いわゆる家計のやりくりなどを想像するが、
本作品ではそういったやりくりは一切ない、
男女ともに良家の子女であり、
金銭的な苦労とは全く無縁の男女だ、

そう言うと浮世離れしたロマンスのようにも思うのだが、
深窓の令嬢と王子様のロマンスのような雰囲気ではない、
本作品にはモデルとなった人物がいるので全てが創作物ではないのだが、
あえて創作物とするなら、金銭的なしがらみがうざったいので、
良家の子女として割愛した、と言ったらいいのだろうか、

お金に纏わる苦労やしがらみを、
ストーリーを際立たせるため削除したような作品だ、

それ故にやや現実離れしたところもあるのだが、
この作品はそこを見るための劇ではない、
居ても立ってもいられず走る、そういった実直な言動が清々しい、

今現代、仕事にロマンや人間醸成を追い求めると、
悪質な経営者に骨の髄まで使い倒される、

生まれ育てられ学び、学びの時間を終えれば仕事に勤（いそ）しむ、
引きこもりやニートと言う言葉のない時代、

表現の自由が侵害されたと夫婦別姓を主張する裁判があったが、
あの時代にその主張をすれば、どう受け取られるだろうか、
結婚をしたくない、と主張しているのか？意味がわからないだろう、
だいいちウチも正直主張がわからないのだが、
権利を主張する前に義務を追及される時代、
ある意味当たり前が当たり前だった時代だとも思う、

そういった点で善き昭和の時代を、
切り出したかのような本作品、
作画が声優が、と言った談話をする前に、
仕事一辺倒な男が輝いている時代、
その男を支える女が光っている時代、
それらを描いたお芝居だとして、
ぜひ一度、ご覧いただければ幸いです。


宮崎駿監督の引退作『風立ちぬ』テレビ初放送「金曜ロードSHOW！」に登場
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=124&from=diary&id=3282658

宮崎駿監督の長編アニメーション映画引退作『風立ちぬ』が、2月20日（金）の「金曜ロードSHOW！」（日本テレビ系、21:00〜23:34、40分拡大）に登場。待望のテレビ初放送となる。ゼロ戦の生みの親である航空技師・堀越二郎、同時代を生きた文学者・堀辰雄、二人の人生を融合させた主人公「堀越二郎」の物語だ。

美しい飛行機を作るという夢に向かって真っすぐに突き進んだ二郎の青春を、
関東大震災から第二次大戦へと向かう日本の世相を背景に描いていく。
二郎の声を演じたのは、「ヱヴァンゲリヲン」シリーズを手がけたことで知られる庵野秀明。
宮崎監督の『風の谷のナウシカ』で巨神兵の作画を担当し、同監督を師匠と慕う。
二郎にシンパシーを感じるであろう孤高のクリエイターとしての内面と、
どこか金属のようなイメージの声質が見事に相まって、唯一無二の“二郎”を作り上げている。
公開当時、庵野が声優としては素人のため、
違和感を感じるという観客もいたが、
聞けば聞くほど、他のテクニックがある声優が演じていれば
宮崎監督の意図が伝わらなかったのでは、と言える絶妙なキャスティングとなった。

また、二郎と震災で出会い、運命の再会を果たす菜穂子役には女優・瀧本美織。
結核を患い、病床に伏しながらも愛する夫・二郎の夢を支え、
最後まで真っすぐに生き抜いた菜穂子という女性を見事に演じきっている。
特に、寝ている菜穂子の側で仕事をしている二郎が、
「体に障るから」と出て行こうとした時、「ここにいて」と引き留めるシーンは、
シンプルなやり取りで二人の覚悟、二人の関係を描いた名シーンだ。
そして何といっても、涙せずにはいられないラストシーン。
菜穂子の最後の言葉は、見る者にこの作品のテーマを強烈に印象付ける。

日本テレビの「金曜ロードSHOW！」といえば、
スタジオジブリの作品を定期的に放送し、いずれも高視聴率を叩きだしてきた。
テレビ初放送となる宮崎駿監督の渾身の作品『風立ちぬ』が、
どれだけ多くの人々に視聴され、どのような感想が語られるのか、注目が集まっている。